第26話 マジか!
またもや、勤務先の施設での話しです。
(またかいって言わないで……)
いくつかある都市伝説的なヤツながらもコレが起きたら職員は青ざめてしまう、というヤツ。
それはお風呂場横の洗面所での話し。
風呂場に向かって、右2つ、左3つそれぞれ洗い場があります。
この洗面所、何故か右側も左側も通路側の1つしか使えない。修理しても水が出てこないんです。
「便利悪いよねぇ」
と利用者さんといつもボヤいてますが仕方ないですね。
ところがいきなり、水が勢い良く出ることがあります。左側の真ん中。水が出るには蛇口に手を出さないといけないのに……。誰もいない、何もしない、してない、そんなときに『ジャ〜っ』。
ものすごい勢いで、音も凄くて。
職員同士、ジェスチャーで
『あんた、したろ?』
『してない、してない』
をやります。絶対に声には出さずに。
水が出てるのは時間にして数分。
コレもありえないこと。いつも出てるところはすぐに止まるからです。
数日前。
男性の入浴が終わり、女性が入浴です。
男性と違ってドライヤーで髪を乾かさないといけない。コンセントは例の洗面所にしかありません。
何人か終わって、入浴時間は中盤に。
突然、聞き慣れない音が。
見ると例のヤツ……。
怖がる女性職員にあえて明るく
『Aちゃん、ちょっと家の子連れてきたらあかん、言うてたやろ」
私のジョークに凍りつきかけた空気が和らぎました。つれて相方も
『あ〜あ、もう悪そしてるわ』
と。
『電気的誤作動やろ」
ということにしました。珍しくコンセントにプラグがささっていたからです。
コレが起きると2日以内に必ず誰かが亡くなる……。既に何人か亡くなっているんです。
『ヤダヤダ』
Aちゃんはずっとボヤいてましたが利用者の中に危ない方はいないね、と確認してその日は終わりました。
その翌日朝。
いつも1番早く起こしに行っていた男性利用者さん。珍しくまだ食堂にいませんでした。2名対応(2人で起こしたり寝かせたり)なので落ち着いてから呼びに行くことにしました。
もう、分かりましたよね。
私、第1発見者となりました。
看護師、嘱託医など、必要な方を全て呼び、AEDを装着。課長と交代で胸骨圧迫を長い時間やりましたが無理でした。
前の晩は私も含め職員にいつものように悪態をついてた。
亡くなる少し前も部屋を横切った課長に声をかけていた、と。
後でモニタを確認すると私が訪室する数分前まで元気だったことが分かりました。
今日はここまで。次回をお楽しみに。
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