第10話 ダレ?その1

「ゴメンな。空いてるのここだけでさ。こっちの棟は丸々空いてるから好きなように使って。部屋割りは紙の通りだからね」


新部署立ち上げのため、本社への研修で会社から歩いて数分の寮へ到着した私たち。

寮は男子寮でL字型をしていて私たちは短い方のB棟に間借りすることに。3階建て丸々空いてるっておかしいって思いはしたのですが…。


1番奥が私と先輩、隣に先輩2人。3部屋あけて先輩が2人。2部屋あけて4人部屋。


私の向かいに1部屋あり、その横に給湯室。

隣が洗面所。少しあいてトイレ。


みんな、自宅から会社へ通勤していた者ばかり。寮は初めて。ちょっとした興奮状態でした。その夜は何事もなかったと思います。


翌朝、半分眠った頭で廊下を歩いてて、ふと何か小さな違和感を感じました。


『そこ、ずっと使ってないから』

寮長の何気ない一言。

近くのアパート借りた。

友人が言ってたんだがなあ。

なんで?


廊下も所々焦げた後がある。

ある部屋の前は特に激しく焦げ……。

いや、なんでもないよね。


仕事が終わり、お風呂も全て終わりぼ~っと過ごしている夜。

テレビがないけれど隣の先輩の部屋に皆が集まりしゃべっていたとき。


上の部屋からボールをバスケのドリブルしているような音が。

「ダレ?うるさいよね」


続きはまた後日。

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