第15話 はい、どうぞ

ある日のこと。息子はまだ学校から帰ってなくて家には私だけ。帰ってくるのはもう少し先、という微妙な時間。


珍しく、夕飯の準備をしようかな、と炊事場に立っていた。

食器を片付けたり、鍋を用意したり。


いつの間にか、夕飯の準備より片付けに夢中になっていた、私。

後ろに、誰か立ってる感じがする?


ふりかえったりとか、全く確認もせず。

「ボケっと立ってないで手伝わん?」

この忙しいときになに、後ろ突っ立っとうと?手伝わんかいっ!的な勢いで言ってはみたものの、冷静に考えると諸々オカシイ。


まず、後ろの人。雰囲気的にみて身長は190はありそう。息子はまだ小学生。


次。その息子はまだ学校からは帰ってない。つまり家には私だけなのだ。


導き出された答えはただ1つ。


「用事ないなら消えて」


理不尽ながら一言放つ。関係ないのにいつまでも後ろに居られては居心地悪い。


彼に限らず我が家の方々、イタヅラはするが悪い人はいない。神棚をセッセと片付けて下に落ちた埃を集めていたときのは凄かった。


ご褒美なのだろうがよつん這い状態で下を向いていた私の頭めがけて10円玉の雨。

10円玉だよ、硬貨。かなりの量をバラバラと。どこからなのかわからないけれどよくあったね、と言いたくなる量。

………とりあえず、全て回収したのち、神社へ行きました。


今日はここまで。



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