アルバイト始めました 2
「アヤメさんさっきの話、もう少し詳しく教えてくれないかな?」
徳さんがアヤメさんに尋ねると、どうやら誰かに喋りたくて堪らなかったらしく、かなり詳しく教えてくれた。
それによると……
「
最初は『よくある自損事故』と思われていたんだけどね。
事故を起こした人達のほとんどが、『まずゴウ!と言う音がして、熱波と衝撃波と共に燃えるような車と般若のマークのついたバイクを目撃した。』『マネキンの様な顔の運転手に煽られた。』と証言しているの。
幸いにも皆んな軽傷だったのよ…昨日までは……
でも昨日、とうとう重傷者が出たわ!
我が町唯一の暴走族【
助けるつもりだったのか、ただの対抗意識だったのか、わからないけど結果的にその一般車両を助ける形で、謎の暴走車とデットヒート。
リーダーの男と幹部4人がバイクや車で追いかけ、下っ端の数名は原付だったから、途中で諦めたのが別れ道になったの。
その結果、仲間のバイクや車両を巻き込んでの大事故になった訳。
謎の暴走車は、そのまま闇の中に消えて行ったらしいわ……
リーダーの男は、全治6ヶ月の重傷。
サブリーダーの男も全治5ヶ月の重傷。
他にも怪我人がいて、
「えー?!何ソレ?ぜったい人間業に思えないんだけど!?
『マネキンの様な顔の運転手』とか、もうお化けじゃない!!」
と私が言うと、アヤメさんもそう思っていたらしく。
「でっしょーー!それなのに、警察って頭硬いのよねーー。
『飲酒運転か薬による幻覚だ!』って決めつけちゃっててさぁ。」
「仕方ないんじゃないですか?
今の警察はそういう事信じませんから……
昔は、信じてくれたんだけどなぁー。」
そう徳さんが言うとアヤメさんは……
「徳さんって時々、年齢詐称みたいな発言するわよね?
昔っていつの話よ?
明治初期じゃあるまいし!」
… 。
… 。
「そ…そうかなぁ~ 。あはははっ!」
笑ってごまかすとか、すっごく怪しいと思うんですけど……
「あゝこういう時、誰か本当に
えぇっ?アヤメさんアレのファンなの?
あの特撮大好きな瑞稀が第1話で挫折した、毎週土曜日の朝にやってる子供達に不人気で、
アヤメさんは【オニレンジャー】略して【オニレン】への愛を力強く語った後、徳さんと満月が仲良くしているのを見て……
「尊い…… 」
と呟やき、お会計を済ませて帰って行った。
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※1
【地獄戦隊オニレンジャー】
閻魔大王の命を受けた側近、
☆この番組はフィクションです。
実際には放映されていません。
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