4
「「この煮込みハンバーグ美味しいです♪」」
「お口にあって良かったです。ウチの名物なんですよ。」
まったく呑気なものねー。
ヒロシ狐とかなえさんが仲良く並んでランチを食べてる横のテーブルで、賄いを食べながら煮込みハンバーグの自慢をしている
ここまで逃げて来たのは良いけど、二人共その後の計画をまったくしていなかったのよ!
とりあえず今日はいいとして、明日からどうするかよね?
「実はこの町にゲームで知り合った友達が住んでて、その人の事は私の家族は知りません。
昨日ホテルから連絡したら、仕事に行く前にここに来てくれるそうです。
このお店の常連なんですって。」
「へぇ~ウチの常連さんかぁ。その人なんて名前なんですか?」
「すみません、ゲーム内の名前しかわからなくて……
『コードさん』っていうたぶん女性の方です。
因みに私のプレイヤーネームは『イースト』です。」
なるほど…本名が『東』だから『イースト』なのね。
「『コード』さんかぁ……
誰だろう?」
ウチの常連さんでVRMMOやってそうな人ねぇ?
私は条件に合う女性の常連さんで、やってそうな人を思い浮かべてみた。
まず薫ちゃんは学生だから違うよね。
他にも何人か心当たりがある。
「その人の特徴とか聞いてます?
待ち合わせにどんな格好で来るとか?」
「えっと…ロングスカートを穿いて、帽子被ってるそうです。」
えっ?その格好って、あの人しか思い浮かばないんだけど……
「おい…ロングスカートに帽子ってまさか…… 」
「アイツか?ありゃあ今回、何の役にもたたんぞ…… 」
かなえさんの言葉に、私達が考え付いたのはあの人(?)…黒瀬さんこと
因みに
やっぱりいざとなったら、
食事が終わったちょうど3時頃、ドアベルを鳴らしてお店に現れたのは、私達が予想していた人物……ではなかった。
「こんにちわ~♪」
「「「いらっしゃいま…せ…… 」」」
条件反射で返事をしてしまったけど、驚き過ぎてその後のセリフが続かない……
「こんにちわ♪リアルで会うのは初めてね。私が『コード
「あっ!はい、私が『イースト』です!
宜しくお願いします!」
「「「ア…アヤメさん!?」」」
「えっ!?どうしたの皆んな?
そんな変な顔して?」
『コード』さんがまさかのアヤメさんだったとは……
「帽子にロングスカートって言うから、『コード』さんって、てっきり黒瀬さんだと思ってたんです。 」
「えっ?黒瀬さんっていつも夕方に来る人よね?」
「プレイヤーネームも『コード』だったたから…… 」
「いやいや『コード
因みに『コード
ちょうどその頃ギターにハマってて『
何?その面倒くさい名前。
「「「へぇ~。そうなんだ。」」」
「と…ともかく、一応昨日聞いたけど当面の間、隠れる所が欲しいのよね?
だったら…… 」
アヤメさんの提案は意外なものだった。
知り合いの管理物件の一軒家をなんと
「国道沿いにある一軒家なんだけど、期間限定!今なら家具家電付きで
んん?国道沿いの一軒家が無料???
それって凄くイヤな予感がするんだけど……
「「「それってもしかして、あの『黒屋敷』の事(か)?
あそこ住んでも大丈夫なの(なのか)?」」」
「「えっと…そこ何かあるんですか?」」
私達の態度にヒロシ狐…もとい三嶋さん達は、一気に不安そうな表情になった。
黒瓦の一軒家、通称『黒屋敷』……
その家は国道沿いに建ち、庭も広くて日当たり良好。
少し古いけど、家具家電付き。
一軒家なのに家賃も格安。
しかも今回#無料__ただ__#!!
一見、好物件に見えるけど、そこにはもう一つ余計な
【幽霊】……
『黒屋敷』は、いわゆる
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※1
美園アヤメ
町の総合病院に勤める看護師。
喫茶店『ストロベリームーン』の常連客。
特撮番組『地獄戦隊オニレンジャー』、通称『オニレン』の大ファンで腐女子。
※2
【噂の真相】事件の事。
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