第37話 ダンジョンの国
いやん、快適。
小型機動装甲車スーパーイーグル、科学技術がふんだんに投入されたこともあって乗り心地は最高。さいっこうですさいっこう。
ギュインギュイン走ってすぐにクラウディア帝国との国境へ。問題なく通過ー。ひゃっほーい。
国境すぐの街シルペークへ。特に用はないのですぐに移動しちゃいますかね。
うーん、東の方面に行きたいけど道がない、まずは南西の大都市ムーンペルクに向かいましょう。
このクラウディア帝国っつーのは、ダンジョンと鉱物資源の国といわれていて、とにかくダンジョンが多い。それと今まさに邪魔されている東のロッキー山脈方面で鉱物、魔導鉱物や希少資源などが採掘されるんですって。ガイドブックに書いてありました。
ムーンペルクに到着したのですが、なんというか砂漠の民という感じのする服装そして雰囲気の街です。この世界のペルシャ帝国、それがクラウディア帝国という感じでしょうか。ペルシャ帝国見たことないけど。
常設の市場が開かれており、そこには数多くの品々が並んでおります。小さい区画一つ一つに個人商店が立っており、密集した雰囲気がとても良いですねえ。
絨毯売っているところもありました。砂漠には絨毯が付きものなんでしょうかね?
まあ大きい都市には大きいもしくは多数のダンジョンが存在しているわけでして、急いでいるのでちょっと悩みましたが少しばかりダンジョンで魔石稼ぎをして路銀を稼ぐことにしました。
向かったのはトレントの森。ここの街一帯は砂漠的な地域なのですが、この開放型ダンジョンのトレントによって木材が供給されているんだそうです。ほへー。
一般的には穏やかな木人のトレントですが、ダンジョントレントだけあってそりゃあもう勢いよく襲ってきます。可能なら燃やすか凍らせるかしたいところなんですが、これ木材になるんですよねー。品質が悪いか物としてだめになってしまう。良い感じに頭だけ吹き飛ばしたい。
ということで槍で強打。
簡易をし忘れて曲がりました。あああああ。
曲がった槍を持っていてもしょうがないので一度収納して、魔力の塊で棒を形成してジャストミート! 見事に頭部が叩き潰れました。よしよし。
しかしまあ、一体倒すだけで一度戻る位にはデカいですね……。いや、森も浅い所は若いトレントなのでひょろひょろした木なんですが、深部に入ると長いこと倒されてない成長して大きくなってるトレントがいるというわけなんですよ。総合力Sはそういうのを狙ってほしいんですって。
曲がった槍の修復は経費で落ちないかな。スキルで直せればいいんだけど、こうも思い切り曲がってると……。
まあ物理に頼るのは魔法無効化してくるモンスターの時だけってことですね。魔力塊の棒でぶん殴ったり、ぶっ刺して炸裂を伝達、内部爆破で思い切り頭部を吹っ飛ばしたりしてせっせと木材を回収。魔石と合わせて結構儲かる。うひひひひ。カードの残高が5000ドルエンくらいになったあたりで狩りは終了。ジュエルがでなかったのは残念ですけど、まあ毎回出るものでもなし。ロゼスとは違ってそこそこジュエルも流通しているのでお金で買う方向で進めましょうかねえ。
ダンジョンがいっぱいあるからジュエルも結構出るってところだそうですね。ガイドブックに書いてありました。
あー、物理棒だと折れる曲がるようになっちゃうと魔法の棒が欲しいですね。魔力塊で作る棒だとずっとそれを形成しているので、とっさに魔力盾や魔力銃弾、魔力ミサイルなどが作れないんですよ。精神力もずっと消費しますしね。
魔法の棒とか魔法の剣なんかは、召喚スキルだったっけかなあ……。
うーん。先に進んでパール先生のお助けに参りたいのですが、弱いと足手まといにしかなりません。首都まで行って召喚のスキルジュエルを買うか……うーん。
ああ、とりあえず先手を打っておきましょう。まずは私がロゼス王国にまだいるにいる噂を流しておきます。この国は冒険者ギルドが強いので、ギルド経営の酒場でちょっと賄賂をわたして噂を流してもらえばすぐに広まるでしょう。居場所は首都だと【誤魔化し】ておきましょうか。
そして姿を変えます。【化ける】ですね。勇者と聖女のスキルがもうどれだけ上がっているかわからない以上、追跡系で私を特定されると噂と場所の意味がなくなってしまいます。存在を化かしておくことでより一層隠れられるということですね。
ミタマは……博士にはバレましたがさて勇者には。ま、大事をとってきつねではありますがちょっと違う子になっておきましょう。
ちょちょいと人込みの中で6本しっぽのアカキツネ亜人に化けました。稲荷の神様『ウカノミタマ』様からやはり取って、ウカノと名乗りましょう。
冒険者カードは加工してランクCCと能力AAにしておきました。さすが究極の科学力と加工スキルLv9。古代超文明の力にでもなんとかなるもんですねえ。
今まで身体の強さだけの魔導防御を利用して普段着で遊んできたわけですが、勇者相手だと軽装甲で良いので防御をしておかないと魔導防御が破られると思います。
装甲厚いほうが良いっちゃいいのですが、回避前提でスキルを選んでますからね。軽さ重視で行きます。
ハンターギルドに召喚系スキルと良い軽装甲が手に入る場所の話を聞きにいったんですが、
「んー、召喚はかなりのレア、Sレア相当だから大ボスが持ってるかんじだブヒー。リッチとかが持っていたはずだブヒー。防御なら王都で買っちゃったほうが良いブヒな。3万ドルエンくらいでそろうブヒ。」
ブヒブヒ。召喚相当レアなのかー。エルフの大図書館で交換してもいいかもなあ……。交換に耐えうる品をもう持ってないけど。
あと3万ドルエンとか持っていないので防具は自作ですね。材料を手に入れれば加工で作り出せます。
こういうのをやっている時間はあるような無いような。パール先生は異世界転移してきた最強オブ最強ザ最強の存在なのでまず間違いなく負けません。本当にパール先生は強いんです。なのでクラウディア帝国東にパール先生がいる限りは完ぺきに抑えられるでしょう。
クラウディア帝国に侵攻できないなら……ロッキー山脈を転移連発して単独で越えてロゼス王国内部で暴れるかもしれません。ただ転移を止める魔法陣は即座に展開できるので、内部に入ったが最後転移逃げはできない、というのは勇者も知っているでしょう。そしてロゼスには私がいる、って嘘を流してる。
つまり時間はないわけではない、ただし豊富にあるわけでもない。どれかに集中選択して時間を使うことになるでしょうね。
「この近くに巨大バイソブーがいるブヒー。あれの川で作ったレザーアーマーならそれなりの防具になるブヒー。魔法抵抗性もあった気がするブヒー」
あー、あのバイソン風の巨大有蹄類モンスターですね。ユニコーンのように巨大一本角が生えていて、そこに魔力というか、折ったら使い切りの特殊魔法スキルが詰まっているという。
んでマジで巨大。
あれのお尻の革で作ったレザーアーマーならそこら辺の鉄製防具以上に強いかもしれませんね。『防具ならこれにすべて書いてある!防具100選』っつーガイドブックに書いてありました。
あれにオヒャールダイン当たりの超硬魔導鉱石を混ぜた超合金工具鋼でポイントアーマーすれば相当な防御力ですね。
んー、東に進んでいけば手に入っていきますね。オヒャールダインはロッキー山脈で入手できますし、それをまぜた合金工具鋼を買って、加工することはできます。
よし、防御で行きましょう。
まずは巨大バイソブーの革ですね。狙うなら中ボスクラス。そういえばそろそろ決戦なのに大ボス出なかったなあなんて思いながら巨大バイソブーの群れを観察して追跡していきます。
ちなみに隙あらば、音速を越えるぎりぎりの速度で突撃してバイソブーの頭を魔力塊の大金槌を使いぶん殴って殺し、お金にしています。良好な状態でとれるので高く買い取ってくれる。これで3万ドルエン貯まるんじゃなかろうか?
中ボス出ないなあなんて思いながらバイソブーちゃんを殴り殺していたら冒険者ギルドランクがBになりました。そんなに殴り殺していたっけ?
ちなみにモンスターか野生動物か微妙なラインなので、スキルジュエルのドロップは期待していません。モンスターになるのは中ボスになった巨大バイソブーちゃん。
この地帯砂漠っちゃ砂漠なのでオアシスがあるんですが、いました、中ボスクラスの巨大バイソブー。
体高20メートルはあるんじゃなかろうか。ビル4~5階建て位の高さっすよ。
え、これを殺すの? まじで?
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