第4話 敵の弱点をつけ!



 やーってきたよーやってきたよー。スライムいるところにやってきたーよー。


 ああ、いますね。森の中に超緑色しているスライムが。あれがお尋ねモンスター超々強酸性スライム『スライム丼』なんでしょう。


 よし、早いところ始末しよう。

 

 いっくぞー! 突撃ぃ!


 ずどどどどどど!


 スライム丼はこちらに気が付いたのか液体を飛ばしてくる!

 それを水生成でどんどん薄めて回避! 薄めて中和万歳!


 おりゃあぁぁ! 突きさせぇ!


 ブスゥ!


 刺さった! コアに刺さったぞ!



 『装飾用』のガラスの剣が!!



 ああそうだよ思いだしたんだよ!


 強酸性の物質は茶色のガラス瓶で保管するんだよ!


 ガラスは酸性では溶けない場合が多いのさ!



 一気に崩れていくスライム丼。魔石とスキルジュエル、スライムコアを手に入れました。討伐証明はカードに記録されるんだけど、今は持ってない。このスライムコアでどうにかなるかな?


「さてスキルジュエルがドロップしたわけだが、未鑑定なんだよね」

[ひだりて:勇者様パーティなら鑑定スキルとか持っていそうですが……]

[みぎて:そんなの持ってないから、鑑定屋さんで鑑定だおっおっおっ! 未鑑定は基本的にレアスキルだおっおっお!]


 ポケットの中にこの3つを詰めて、帰りました。サイドポーチかバックパックほしいなあ。


 ハンターギルドにて。

「はいー今日の受付はドワーフのエミでーす。あなたもドワーフ?」


「ちがいます。まったくもって違います。まーったくもって違います。えっと、スライム丼討伐してきました。これ証明のスライムコア」


「あーらーおめでとードワーフ。これでハンターギルドに入会できるわよぉ。まずはハンターカードを作るわねぇ。個人認証のために色彩と指紋、それと複数の生体情報をデータとしてもらうわぁ」


 パパっとデータをとってもらい、カードを作成!

 名前は……「ひまわり」にしておきました。


「これで身分証明書がてにはいったどー! キャッシュが入れられる!」


「おめでとぉ。まずはスライム丼の討伐料よぉ。500ドルエンね」


 ドルと円でドルエンだよなーと思いつつ入金してもらいました。

 キューブスライムの魔石がだいたい1ドルエン、500キューブスライムと同等の額! おいしい。


 買取所に行ってスライム丼の魔石を売り払い、100ドルエン。合計600ドルエンもあるー!


 お金も手に入ったし、まずは……食事!


「おいしい、おいしい、ぶんめいのあじがします」


 たっぷり食べた後に鑑定所にて鑑定。

 普通の鑑定屋さんは、鑑定スキルではなくて、鑑定魔法のスキルなので、魔法を使うために……。


 踊ります。今回は80歳くらいのおじいさんがエアロビクスを踊りました。死ぬんじゃないかな? 大丈夫かな?


「こ、これ……は……。パッシブスキル、中和のスキルじゃ……。効果は……中和する……なんでも中和する……ガクリ」


 死んだー!? いや死んではないか。50ドルエンを支払ってそそくさと出てゆきました。ちなみに3日後お亡くなりになったそうです、あっ……。


「さ、さて次はどうしようかな。体鍛えたいし、スキルジュエル取り込んでおきたいし、国境を渡りたいし……。


[ひだりて:、火生成のスキルジュエルを買って火を作れるようになることと、放射のスキル。それから移動用の装備、宿泊費の確保、の順番ですね]


 ひだりては頭が良いなあ……。みぎてはひらめきが良いよね。


 100ドルエンを使って火生成。200ドルエンで発射というスキルジュエルを購入。

 発射できれば放水や火の矢が使える。手に持った小石を発射してもいいね。


 150ドルエンでバックパックとサイドポーチ。

 スライムを中和したり一本角ウサギを火だるまにしたりしてお金集め。

 そのお金で各種トレーニング。身体能力向上のスキルの力だけに頼ってはいられない。


 これらによって、冒険者ギルドの総合能力診断ではFFくらいまでにはなったみたい。Fが一般男性だから、それよりは少し強いかな?

 SS、S、AA、A、BB……という風な具合でランキングされております。

 冒険者ギルドランクのほうもそうだね。

 頑張れば総合能力Dまであがるかも? 努力努力。



 **

 並行世界の果てまでも追いかけて、合体するからね。まっててね、僕のマイプリンセス! 並行世界の果てまでも追いかけて、合体するからね。まっててね、僕のマイプリンセス! 並行世界の果てまでも追いかけて、合体するからね。まっててね、僕のマイプリンセス!

 

 

 うーん、そろそろ本当にこの周辺から『逃げないといけない』ですねー。あの博士の悪夢を見る頻度が日に日に増えているんですよ。博士が私を見つけてしまうかもしれない。博士からは逃げないと。

『失敗した実験体』を『追いかけてきている』わけですからね、逃げ切らないとまずい。



 国境を越えましょう!

 


 なーに、身分を証明できるんだから国境を超えるのは簡単簡単。手短に支度を整えたらいっくぞー。


 国境の街ドドスコまで乗り合いバスでぶーん。そう、バスとかあるんですよねこの文明。



 隣国クウィックでは懸賞金付きの犯罪者になってました。あれ、このままじゃ入れないぞ。勇者様パーティと接触してから苦難の連続だな……。



 まあいいです、この苦難乗り越えて見せましょう。


 クウィックだと、懸賞金付き犯罪者の場合懸賞金を払えば犯罪者ではなくなります。そういうルールなんだそうです。アメリカ西部開拓時代の賞金首ルールみたいですねえ。

 んだば、支払えばよいのじゃろう? 一度シルロックまで戻り、ハンターギルドにて次のお尋ねモンスターをお尋ねしました。


「今日はきつねのくーちゃんだよぉ。そだねぇ、山岳地帯にいる化け物カラス『カミカゼ化けカラス』に賞金がかかってるよぉ。超高速突撃してくる危ないモンスターだよぉ。その分お高いけどねっきゃぴっ」


 かわいい。かわいいぞこのきつね。きつねはかわいい。きつねは正義。きつねラブきつね大好き! きつね! きつね! きつね!


 おっと。


 つまりこのカラスを仕留めてくればいいんですよ。ちょっと準備して仕留めに行きましょう。


 ***


 手段を選ばず血反吐を吐くほど頑張って、木刀と木製スモールシールドそしてスキルを2つ手に入れてきました。


 これで何とかなるはず。いえ、なんとかして見せます。



 博士から逃げつつ、あんにゃろうにはぎゃふんといわせる。うーん出来るかな? いえ、やらないとねっ!

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