概要
夜の言葉、夜のファルマコン
夜陰は全てを見せぬことと引き換えに、真に見るべきものを見せてくれる。昼の陽の眩さは全てを見せることと引き換えに、人々の双眸を誑かす。何より眩し過ぎると結局何も見えない……などと嘯く著者が夜の手すさびに綴る毒にも薬にもならない(はずの)散文です。
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真夜中に明かりは消える。よそ者よ、間違ってもこの時刻にノクタピオラに到着するな。そんな経験を味わおうと望んだ不敵な男たちは一人も助からなかった! 夜明けには、彼らの無残な、ちぎれ、ばらばらになった屍。これ以上なにも言わないほうがいい。
【「ノクタピオラ〔Noctapiola〕――夜遊市」(ギョルゲ・ササルマン〔Gheorghe Săsărman〕著/住谷春也訳『方形の円 偽説・都市生成論〔Cuadratura cercului: F
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真夜中に明かりは消える。よそ者よ、間違ってもこの時刻にノクタピオラに到着するな。そんな経験を味わおうと望んだ不敵な男たちは一人も助からなかった! 夜明けには、彼らの無残な、ちぎれ、ばらばらになった屍。これ以上なにも言わないほうがいい。
【「ノクタピオラ〔Noctapiola〕――夜遊市」(ギョルゲ・ササルマン〔Gheorghe Săsărman〕著/住谷春也訳『方形の円 偽説・都市生成論〔Cuadratura cercului: F
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!言語化の神かなにかでいらっしゃる!??
まだ一章を読んだだけですが、書かずにはいられませんでした。
随想録のユーモアに隠し切れない格式の高さが魅力の本作品です。
作者様の教養があり余り、かつコメントの方や前レビューの方の文章が大変巧緻に整えられてされているのに、私がうっひゃぁたまげたなぁとレビューを書くこと自体だいぶ気が引けるのですが、激烈にやばいくらい良いです。読んでいる内になんだか勝手に賢くなったような気がしています。本当に頼もしいものを見ると笑いが止まらなくなるといいますが、この作品がそうでした。日常のふとした思い出を語る、文学的で才気に満ちたエッセイ、おすすめです。 - ★★★ Excellent!!!眠られぬ秋の夜長を助長するかもしれない随想録
もう無くなって行けなくなった場所。
嫩(わか)い日の微笑ましくも少し苦い記憶。
双眸(ひとみ)を見開くよりも伏せることで見えてくる風景があります。
それは「懐古」というエッセンスを付加されて美化されがちですが、此処に記される風景は、おそらく作者様が目蓋の裏で見て感じられたもの、そのままの鮮度で立ち現れて、現世を苛むでもなく励ますでもなく、文面として其処に在り続けます。
「随想」という自由な形式で書き綴られたエッセイは『夜の言語』で書かれています。さて『夜の言語』とは何でしょう。気になられた御方は是非、壱話と弐話をどうぞ。
何らかのエンパシーを受け取られ、読み進めたくなる御方は、『夜の言語』…続きを読む