概要
そいつは、強く気高く美しい、けれど同時に、脆く儚く弱いただの人間だ。
十五年前に家族を失い、故郷を失い、十年前に命の恩人である師匠を失い、五年前に部下や仲間を失い、その後の五年間で、旅先で出会った人間をすべてを失った。
長年執拗に彼をつけ狙う、彼の首筋に目印を刻んだ、たった一人の吸血鬼の手によって。
全てを投げ出したくなるほど苦しくても、心が砕けそうになるほど辛くても、深い悲しみに押しつぶされそうになっても、息ができなくなりそうなくらい絶望していても、死者より託された無数の「生きろ」という言葉が男を生かす。それはもはや、呪いのように。
白銀の髪と薄氷の瞳を持つ神父。
死が付きまとう彼が歩いた道の後ろには、屍の山が積みあがる。
これは、災いを招く、災厄の神父と祓魔師の間で囁かれていた男が、陽炎一族という吸血鬼たちと出逢う物語。
長年執拗に彼をつけ狙う、彼の首筋に目印を刻んだ、たった一人の吸血鬼の手によって。
全てを投げ出したくなるほど苦しくても、心が砕けそうになるほど辛くても、深い悲しみに押しつぶされそうになっても、息ができなくなりそうなくらい絶望していても、死者より託された無数の「生きろ」という言葉が男を生かす。それはもはや、呪いのように。
白銀の髪と薄氷の瞳を持つ神父。
死が付きまとう彼が歩いた道の後ろには、屍の山が積みあがる。
これは、災いを招く、災厄の神父と祓魔師の間で囁かれていた男が、陽炎一族という吸血鬼たちと出逢う物語。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★ Very Good!!これはもう、〇〇な吸血鬼譚
一言で言ってしまうと、作者様の思惑がどうあれ、めちゃくちゃ可愛くて、ほのかに耽美な——というより、えい、言ってしまおう、
「こりゃBLだろ?」
という吸血鬼譚です。
だって可愛いんだもん。主人公格のユリウス(神父)の無防備さとか。パワープレイ気味のアイザック(吸血鬼)の超直球勝負の物言いとか。脇役のカップリングが好み、という方には、やっぱり吸血鬼でバーのマスター・オスカー(世話焼き)×こっちは人間のルーク(能天気)もいいな。
ユリウス神父が結構ヘビーな過去を背負っているらしいことは何度も言及されているんですが…ゴメン、そっちよりも、「えっ、吸血鬼モノでこの関係性は…」の方に意識が吸い寄せ…続きを読む