第12話 番いの苗木

 暗く広い座敷の真ん中が、小さな庭になっていた。

 そこだけ畳は敷かれておらず、木で囲われ土が盛られており、細い樹木が二本ずつ、並んで植えられていた。


 そこで、誰かが教えてくれた。


 村で男女の子供が産まれると、こうして二本の苗木を並べて植える。このつがいの苗木が寄り添うようにして育てば、その二人は将来結ばれる。

 だから、離れ離れにならないよう、苗木に横木を渡して固定するとよい。


 なるほど、と思って横木になる木材を探し、適度な長さに切って苗木同士を固定していった。


 目が覚めてから気になった。

 かなり苗木は密に並んでたので、選んだ二本ずつのペアが、果たして正しかったのか。

 そもそも、本人たちの意思はどうなるのか。


 夢だけに確かめようもないのだが。

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