第4話 そのサブタイトルは?
夢の中で小説を書いていた。サブタイトルは「喧嘩売ってすみません」。まるでどこかの連載みたいだが、キャラも背景もまるで違う。そもそも、書き始めたのに、誰が誰に喧嘩を売るのかすら分からない。
現代もののラブコメ。主人公は真面目だがちょっとやさぐれ。少し浅黒い肌。ヒロインはタカビーな物言いのいわゆるツンデレ。そして二人を取り巻きニヨニヨしてる友人たち。皆、大学生くらい。
ある日、みんなで一緒に遠出することになる。主人公が親から車を借りると言うが、それがなんとリムジン。どうやら主人公、やたら金持ちのボンボン?
しかし、運転が上手い。上手すぎる。マニュアル式なのに、アクセルとクラッチを右足で操作するヒール&トウでの滑らかな加減速。車長があるリムジンなのに、曲がり角を一発できめる車両感覚。
でも残念なことに、最後の方で信号無視の車が飛び出して来たり、おばあさんがよろけたりして、何度か急ブレーキを踏む場面があった。
なんとか無事に目的地にたどり着いて、みな口々に「ありがとう」と言ってリムジンを降りていく。が、最後に残ったのがヒロイン。
「全く何よ、何度も急ブレーキ踏んで! 気持ち悪くなるじゃない!」
運転席からジロリと振り返る主人公。
「しょうがねーんだよ、事故るよりましだろ!?」
「事故起こすような運転するのが悪い!」
酷い奴あたり。主人公もキレる。
「いいから、さっさと降りろ! 二度と乗るな!!」
流石にウンザリして、視点を車内から外のほかの仲間たちへ移す。「またやってるよ~」とか、薄い目で見てる男女。
あ、でもこれだと、喧嘩の行く末が書けないな。どうしよう。
プンスカしながら降りてくるヒロイン。駐車場へ車を回す主人公。
どうなることやら。作者なのにまるでわからない。
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