文輪帝国興亡の歩み

　２００１年、地球を支配する海に浮かぶ小さな島で、一つの誓いが立てられた。それは子供等の、弾圧に対する小さな反抗であったが、この誓いが奇跡を起こす事となる。地球史上初の統一国家であり、人類が生み出した最大の帝国の物語が今、始まる。

「デスフォート帝に課せられた使命は、初代辻杜帝のそれに比べれば、非常に少ないものであった。だが、二代目の皇帝の采配は、それ以降の帝国を左右する、重要なものであった。即ち、軍事力の助けを借りることなく、いかに民衆の心を掴むかが重要になってくるのである。……（中略）……しかし、デスフォート帝は辻杜帝や二条里執政官のような何かを作り出すことに長けてはいなかったが、与えられたものを忠実にこなしてゆくと言う点においては、まさに天才であった。そして、これが帝国の寿命を千年以…続きを読む