概要
僕はずっと僕でいられるわけじゃなかった。
病院の前で倒れていたぼくは記憶を失っていた。
持ち物はロックの掛かった携帯電話。
「兄を探しているんです」
そう電話をかけてきたのは紗雪という女の子だった。
紗雪は死者が見える不思議な力を持っていた。
記憶を失ったぼくと死者が見える紗雪の「記憶」と「死者」をめぐる日々がはじまった。
「人が人を殺す、そんな話、誰も聞きたくないだろ?
だから、賭けたんだ。
迷惑だろうし、僕の自己満足でしかないけど。君には知っていてほしかった」
これは、1つの殺人の物語でもある。
毎日17時に更新します。
本格ミステリーとまでは言えませんが、そこそこミステリーな物語です。
2013年岩田屋町。
著者、郷倉四季。
――――――――
主な登場人物。
西野ナツキ(記憶喪失の青
持ち物はロックの掛かった携帯電話。
「兄を探しているんです」
そう電話をかけてきたのは紗雪という女の子だった。
紗雪は死者が見える不思議な力を持っていた。
記憶を失ったぼくと死者が見える紗雪の「記憶」と「死者」をめぐる日々がはじまった。
「人が人を殺す、そんな話、誰も聞きたくないだろ?
だから、賭けたんだ。
迷惑だろうし、僕の自己満足でしかないけど。君には知っていてほしかった」
これは、1つの殺人の物語でもある。
毎日17時に更新します。
本格ミステリーとまでは言えませんが、そこそこミステリーな物語です。
2013年岩田屋町。
著者、郷倉四季。
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主な登場人物。
西野ナツキ(記憶喪失の青
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!記憶を辿り、本当の自分を辿る。失いたくないと足掻いたものの大きさを知る
著者の別作品、『南風に背中を押されて触れる』から繋がる物語です。
『南風〜』で衝撃的な事件を巻き起こした青年・西野ナツキが、記憶を失って病室で目覚める。
…ものすごく、気になる展開じゃないですか(笑)。
本作は、迷えるナツキ青年が、自分を知っているはずの様々な人物と話したり、時には霊の力を借りたりして、事件の真相を追っていく物語です。
失った記憶を辿る時。
そこに見るのは、かつての自分が失わないために足掻いた、何よりも大切だったもの。
ラストは衝撃の事実が明らかになると同時に、ある男の心象を描いた、とても印象的な光景が現れます。
事件の真相と記憶が絡み合い、これまで登場してきた人物たち…続きを読む - ★★★ Excellent!!!アイデンティティの鍵を一緒に探さずにはいられない中毒性のあるミステリー
郷倉四季さんの書く小説はご本人も仰っている通り、ゆるく繋がっています。
そして、どの作品から読んでも大丈夫なのです。
ちなみに、こちらの「西日の中でワルツを踊れ」の主人公は「南風に背中を押されて触れる」という作品の登場人物として出てきた西野ナツキです。
その西野ナツキが記憶喪失の状態で始まる物語が今回の「西日の中でワルツを踊れ」なのです。
「テーマはアイデンティティ。
過去と現在のアイデンティティを奪われた人間はどうなるのか?」
それってどうなるんだろう……と最初からその謎を追っていく様な感覚でした。
特に西野ナツキは「南風に背中を押されて触れる」に登場し…続きを読む