概要
色覚障害をもつ先輩は、たった三色しか色を識別できない。青と緑と黄色だ。
【本作は「小説家になろう」より応募しておりましたネット小説大賞第2弾短編企画賞『受賞』作です】
12月25日。街は、クリスマスムードに浮かれている。あちこちに散在する、クリスマスカラーの赤。それを見て、ひよりは中学生の頃に経験した『初恋』を思い出す。
12月25日。街は、クリスマスムードに浮かれている。あちこちに散在する、クリスマスカラーの赤。それを見て、ひよりは中学生の頃に経験した『初恋』を思い出す。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!「かわいそう」を越えて
「障害」と聞くと、まず何を思い浮かべるだろう。
障害を持った登場人物のストーリーを描こうとすると、大概は「かわいそう」を盾にとったありふれた美談におちついてしまう。
「障害を持っていても頑張っている」「障害があっても懸命に生きていける」そんなテンプレートに乗っかった物語を読むと、強制的な感動、「これに感動しない自分が悪人であるかのような錯覚」の反作用としての感動が自分の中に起きる。
しかし、この作品はそれを飄々と越えていった。
「色覚障害」で三色しか認識できない美術部の佐野誠と、偶然それと同じ世界を描いたひよりの初恋の話なのであるが、単に「三色しか使わない絵が素晴らしい」という結論に…続きを読む