概要
こんな身体でノコノコと地球に帰れるはずもなく……
しかし、文明がひたすら進んだ銀河の彼方では、未開惑星地球人の僕は原始人同然。
できることは単純な仕事――そう、例えば宇宙船を飛ばすとか。
AIの相棒と共に、もらいものの旧式貨物船で銀河を股に掛ける王道(?)スペース・オペラ。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!ハードボイルド×スペースオペラ×ニワトリ
主人公は、やむを得ない事情でニワトリ型宇宙人の体に脳を移植した地球人。
代用品の航法コンピューターは無人戦闘攻撃機のAIで、感覚が輸送船のそれではない。
元の体を取り戻すため、違法行為も辞さない運送業で資金を稼ぐ日々……。
主人公がマスコット的な外見で、雰囲気が明るく、会話にも品があるので、一瞬ごまかされそうになりますが――主人公は自分の命と金のためなら即座に他人を切り捨てる非情な人物ですし、世界は金と力の論理で回り、登場人物の多くは無法者か訳有りです。
可愛い絵柄のカートゥーンや教育テレビに紛れて侵食し、保護者の目を盗んで子供をスペオペ脳に染め上げる、あの系譜と言えば伝わるでし…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ハードボイルドかつほのぼのとしたスペースオペラ
主人公は冗談や誇張抜きで、「大藪春彦氏の著作の主人公たちと比べてさえも」ハードボイルドな存在であり、非人間的でさえもある。
この主人公に比べれば「汚れた英雄」の主人公(レースに勝利すること以外には徹底的に冷血)でさえも「義理堅く、誰か人間に対して愛情を持つことがある」と言える。
あるいは「長く熱い復讐」の主人公でさえも「仇を殺すときに仇の妻子を巻き添えにすることに良心の呵責を覚える」分、本作の主人公よりはずっとマシな人物である。
が、その一方でほのぼのとした作品でもある。
主人公は間違いなく悪党なのだが、好き好んで悪事を働くわけではない。
「自分が生きるために必要な悪事であれば殺人さえも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一話ごとの楽しさと、長編の壮大さへの期待。(2020/4/18加筆)
別作品がとても軽快で読みやすい文章だったので、こちらの作品も読みに来ました。
星間航行する貨物船の船長(と言うよりトラックのドライバー?)が主人公のSFモノ。
いつか辿り着く「本筋」がありつつ、1話ごとにストーリーが完結するとても読みやすい構成なので、読みたい時にサッと読める手軽さが良かったです。
(1話あたり20-30分程度でしょうか)
舞台設定を押し付けがましく書かずに、一話ごとのショートストーリーの中にさり気なく埋め込み、「本筋」がゆっくり見えてくる展開は、長編アニメの様な「次はどんなストーリーが来てどの部分が見えてくるのだろう?」と言う楽しみがあってこの先に期待をせずにいられませ…続きを読む