色々な所に夢の中で旅をする少女。その旅の記録はスノードームとして記録されます。まず、言葉の運びが美しいです。文章のリズム性もよく1つ1つが短い話なので読みやすいです。最初は童話かな?と思いがちですが、童話よりももっと深い哀しみや楽しみを追い求める素晴らしい作品です。この作品で考えさせられることが多かったです。
最初は、主人公の少女のかわいらしい様子ややさしいふるまいから、単純なファンタジーかと思っていたら、内容がどんどん深くなっていく。人間の残酷さと愚かさ、動物たちによって表現される生きる過酷さ、悲しみ、真剣さ、力強さなど、かなり重い内容を描いているのに、文章はあくまでやさしく温かく、かわいらしい。それが、「読みやすさ」と「内容の深さ」の両方に作用している。こういう内容をこういう表現で伝えられるところに、作者のセンスと才能を感じる。
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