2-11 魔界上陸

「「うわ!」」


誰かの驚いた声と船に伝わった衝撃で私は起きた。

何事かと思いながら身支度を整えて、髪をほぐし整えて外に出る。


外には既に3人とも集まっていて「おはようございます」と言い衝撃の原因を見る。


「ティア、魔界についたみたいだよ」

「そのようですね」


船は砂浜に投げ出されていてそれが原因に思える。

魔界は想像していたのとは違うようで地面は黒くなくて普通の色だった。

とりあえず船から降りて近くに泊まれそうな場所がないか探す。


程なくして魔物とエンカウント。

ゴブリンだったが全体的に体格がいいし数が多く連携も取れていた。

魔界の魔物はすべてレベルが高いようだ。

だが簡単に倒せたのでよかったがまた歩くとすぐにゴブリンとエンカウントした。


それが数えられないくらい続き魔王城が見えるくらいまで行くとそこに町があった。


「やっと見つかったな。

もう疲れたよ。あそこの宿へ行こうぜ」

「俺も疲れたよ」

「何だか人がいない感じがしませんか?」

「確かに、今まで誰とも会ってないな」


宿屋のような場所に入ったがそこには誰もいなかった。

呼び鈴があってそれを鳴らしたが誰も来ない。

本当にここには誰ももう住んでないらしい。

私は適当な部屋に入り荷物を置いた。

部屋はベットにバスルームという簡素な作りだがそこまで汚れてなく水魔法と風魔法で軽く掃除したら綺麗になった。

その後この前買った服とスカートを着てロビーにあつまる。


「今日はここで泊まって明日魔王城に行こうと思っている」


そういったのはキサラギさんでテイナーさんとキサラギさんは少し服が汚れている気がする。


「あの、何故おふたりは汚れているのですか?」

「さっき魔王城の前まで必要最低限の戦力で行ってきて一気にワープできるようにしといた」

「ありがとうございます!大変でしたでしょうに」

「「それほどでもないよ」」


その後簡単な作戦と陣形を話してたわいもない雑談をしてキサラギさんのアイテムボックスからご飯を取り出して私はこの宿の調理場を借りる。

今日の料理はこの世界にあるナムキバという料理を作る。


パンにシチューを付けて食べるというもので日本にもあって簡単に覚えた。

でもシチューが特殊な作りで何種もの具材と魔法を使うことでできる魔法料理というものだ。


「みなさんには初めて作りますね。ナムキバです」


私の作る料理に驚く3人。この魔法料理は火、水、風、光の魔法が使えなければ作れない料理だからだ。

一口食べる。とても美味しくてすぐ二口目に入る。だが味が変わる。

この魔法料理は食べるたびに味が変わるという面白いものだ。

全部で10種類の味が楽しめる。

それをみんなで楽しみながら食べ終わる。


そしてみんな自分の部屋に戻り寝始めた。


私は寝る前にノートにこの前のことを書いておいた。


・中学校で3ヶ月間生活する。


そして寝た。



次の日になりワープする。

魔王城は黒くはなく少し灰色なくらいだった。


中に入ると思ったより静かで誰もいなかった。

ほんの少しの時間で、1番上についてそこにあった部屋の扉を開ける。


「誰も、いない?」


私たちが開けた扉の奥には誰もいなかった。


「どこに行ったんだ魔王のやつ?」

「、、、下の方から邪悪な気配を感じるぞ!」


下の方に意識を集中させると確かに禍々しい感じがする。


すぐに下の階へ行く。

だがどこにも地下へ続く階段はなく探してる間にどんどん禍々しさが増していく。

キサラギさんが床に手を置いて集中している。


「とりゃ!」


その声とともに床が砕けて階段が現れた。


「みんな行くぞ!」


そして階段を歩いていくと1つの部屋についた。


そこは部屋のすべてに何個もの魔方陣がありそれを囲むように大きい魔方陣がひとつあった。

そしてその中に魔王と思われる者とその側近のような奴らが魔法陣の中にいた。


「何してるんだ!」

「お前らは勇者たちか。魔神の召喚だよ」

「なんだと!みんな、準備はいいか?」

「はい!」

「おう!」

「始めるか!」

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