2-12 魔神対勇者(パーティー)
私たちが戦闘態勢になり始めた時に魔王が私たちに、厳密には私に声をかけてきた。
「おぬし、名前をなんという?」
「私ですか?シャルティア・テスカトルです」
「わしの妻にしてやろう。そうすれば命は助ける」
「何言ってんだ!俺の方が先に目をつけていたんだぞ!」
「いや俺だ!」
魔王が変なことを言い出したら幹部も言い出してついには勇者まで口論に加わった。
「私は誰の妻にも嫁にもなる気はありません」
それだけ言うとあたりは静かになったが目での牽制が何故か続いている。
そして急にバトルロワイヤルが始まった。
魔王も幹部も関係なしに戦い始める。
え?私?始まる直前に魔王の魔法で洗脳されたよ。動けなくなった。、、というふりをしている。
私の言葉はあくまでも聞かないらしい。困った。
今の状況ではキサラギさんが少し優勢だ。
キサラギさんは空間を操って敵の魔法をねじ伏せて、敵の体の一部を異空間に無理やり押し込もうとする。幹部の人は既に全員片手やらがちぎれているが魔王は特に怪我はなかった。
魔王は少し笑いながら勇者に肉弾戦をしかけてきた。
勇者は距離を取りながら自分の腕を空間魔法で魔王の近くに出して殴ろうとしたがかわされていた。
「そろそろギブアップしたらどうだ魔王?」
「そちらこそもう息が苦しそうだぞ?」
そんな言葉を話している間に幹部のひとりがやられた。
もう一人の幹部は放置されていた魔方陣に魔力を注ぎ始めた。
私はすぐに止めに行こうと思ったがもう遅く魔法陣が強く光り始めた。
光が収まった途端、私の中に何かが入り強引に体を動かす。
魔神が私の精神を乗っ取ろうとしてきた。
だけど私は少しだけ抵抗してすぐに受け入れる。
(こういう時は乗っ取られた方がいいのかもしれませんね)
キサラギさんはすぐに私の異変に気づいたらしく声をかけてきた。
「黙れ」
「まさか、魔神に乗っ取られたのか?」
「この娘の体は貰い受けた貴様らには消えてもらおう」
「なに?」
「みんな逃げろ!」
テイナーさんとクリストさんがキサラギさんを逃がそうとする。
だがキサラギさんは逃げなかった。
「魔王、貴様の力もらい受けよう」
「何をする気だ!」
すると魔王は実体がなくなりモヤのようになり私の体の中にいる邪神に取り込まれた。
ん?私の体の中ということは、私の体を好きなようにできるということ?
(、、、女の敵が、勝手に体に入って、よくよく考えればよかった)
私は今自分の体にほかのものが入ってるのだこきちんと理解してなぜか苛立ちがこみ上げた。
(リターン・ユニット)
私が唱えた魔法、それは、自分と対象の人物の記憶を残したまま時間を遡ることの出来る魔法だ。
もちろん自作した。
そして今回選んだのは私と魔神だ。
私の体は先程の時間を戻した。
魔神が私の体に入る前の状態になる。
精神に入っただけで実体はあるようだ。
思ってたよりも凶暴そうな体で一般人が見たら畏怖や恐怖をするだろう。
だが私は何も感じない。
ただただ無慈悲に
「聖域、対魔結界、光魔装」
二つの結界と魔装をする。
そして魔神に近づいていく。
「制裁の剣」
オリジナル魔法。今、魔神に攻撃するために作り出した攻撃魔法。
光と空間魔法を使っているので傷が回復しようとすると空間魔法の力でそれを歪める。
「無帰の剣」
これもオリジナルで光と時空魔法だ。これが当たった場所は存在する前まで時間を遡らせる。つまり無に帰るということだ。
まんまの名前だ。
これでかなり魔神が弱った。
「無慈悲の剣」
最後の魔法。火魔法で焼失させ、水魔法で窒息させ、風魔法で切り刻み、土魔法で圧縮させ、光魔法で何億ワットもの電流を全方向から浴びせ、闇魔法でブラックホールを作りぶち込み、空間魔法で逃げ場をなくし、時空魔法でそれを一瞬で終わらせる。
「がはっ!」
「キサラギさん、頼みました」
最後のいい場面は勇者に譲るべきだろう。
私はもう満足していた。
「やぁ!」
そんな気合いとともに魔神は死んでいった。
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