2-8 伝説再び


赤い槍の台座が光って、そこから巨大な生物が出現した。


「ティア、みんなを連れて安全なところへ逃げろ!俺が倒す」


「私も手伝いたいですがそれが最善ですか、わかりました」


私とキサラギさんはそれ以上何も言わずに自分のやるべき事を始めた。


私はみんなを連れて赤い槍を手にした生物、、ポセイドンから離れていく。


(アクアコントロール!)


私は水魔法を使って海水を操作して普通ではありえないスピードでポセイドンから離れていく。


(キサラギさん、頑張ってくださいね)


私たちは海上に上がる。


すぐに木魔法を使って船を作る。


「みなさん、この船に乗ってください」


それだけ言うとみんな乗っていく。


私はすぐに海に潜る。


仲間たちはみんな船で不安な顔をしている。


勇者のパーティーである他のふたりはいつも発言が少ない。


「ショーン、リクス、頼みましたよ」


今までは名字の方を呼んでいたが仲間としてそれはどうかと思い今からそう呼ぶことにした。


ショーンとリクスはそれを聞いて頷いてくれた。


私が潜ろうとしたその時キサラギさんが海の中から出てきた。


「キサラギさん!大丈夫でしたか?」


「いや、一時的に止めただけだ」


「それはやばいな、テイナー、キサラギと一緒に潜るぞ」


「俺もそれでいい」


「、、、では私はこの子と待っています。

水魔法で皆さんが息をできるようにしますので窒息はないと思います」


「よし、行くか」


キサラギさんの言葉で3人は海に潜った。


私はその間ポセイドンを倒せないか考えていると黙っていた女の子が口を開いた。


「ポセイドンを倒す必要は無いよ

ポセイドンは優しいから状況を説明すれば手伝ってくれるよ」


「それは本当なのですか?」


「うん」


突然話し出した女の子のおかげで何とかなりそうだ。


まず水中に潜る。


3人は水中では息ができてもうまく動けないらしく苦戦している。


「みなさん、一度攻撃をやめてください」


「え、どうして?」


「私に考えがあります」


それだけいい、アクアコントロールでみんなを下がらせる。


「ポセイドンさん、私たちは女の子を人魚の国に送り届けるためにここに来ました」


「、、、それは信じられるのか?」


「ポセ、信じて大丈夫だよ」


急に頭上から声がした。


そこを見ると女の子が泳いでいた。その足は魚のように変化していた。


人魚族、初めて見た。


「なぜあなた様がここに!」


「攫われちゃったけどこの人たちに助けてもらったの。だからこの人たちに礼をするために一緒に連れて行って」


「そうでしたか、ではこちらに」


「「「「、、、、」」」」


私たちはみんな固まっている。


今まで戦ってた相手が急に頭を下げた。


それも、キサラギさんが助けた女の子に。


誰も何も聞けずにポセイドンの言われるがままに神殿の奥にあった魔法陣にのる。


すると目の前が壁から華やかな商店街になった。


「「「おかえりなさいませ」」」


たくさんの人が横に並んでいてそこを歩いていく。


着いたのはおとぎ話に出てくるような城、水の中にあるのがまた幻想的だ。


そして門の前に一際目立つ女性がいた。


「この度は私の娘を助けていただきありがとうございます」


「お母さん、ただいま」


そんなやりとりを呆然と見ている。


そしてでかいテーブルで少しお話をして城で泊まらせてもらった。


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