3-6 弟子入り
今日もいつもどおりみずきちゃんと登校する。
「ストーカーがいるみたい。少しだけ待ってて」
小声でそういうとまた離れていって、男の悲鳴がしてすぐ戻ってきた。
「みずきちゃん、私に合気道を教えてくれない?」
「え?なんで?」
「ずっとみずきちゃんに任せっきりだから、自分の身は自分で守れるようにしたいし」
「うーん、、よし分かった。その代わり条件が幾つかあるんだけどいいかな?」
「何かな?」
「口調を私だけでもいいから柔らかくしてほしいな、あと、ティアちゃんがどこから来たのかと、」
そこで不自然にみずきちゃんが区切って私の耳に顔を近づけて言った。
「ティアちゃんの隠していることについて」
「...! .....分かったよ。その代わり絶対に合気道を教えてね」
「うん!約束は守るよ」
昨日神様に確認しておいてよかった。こうして私は合気道を教えてもらえるようになった。
その後学校に着き、授業が始まる。
大体の授業がグループ学習だったので話し合う機会があったからいろんな人に話しかけて友好関係を築いておいた。
時間はあっという間にすぎて昼休みになり、食堂に行き今日は売店で買い物をする。
売店に行った理由としてはそろそろ下駄箱に入っていた大量の手紙を確認するためだ。
みずきちゃんも手伝ってくれるみたいで助かった。
食事をするのは自分のクラスではなく部室で、そこにある机に手紙を出して購入したパンを食べながら手紙を見ていく。
内容はどれも告白のようなものでとりあえず全員に『付き合うことはできませんが、よければこの件に関わらず文通をしませんか?』と書いて一人一人の机の中に手紙を入れていった。
みずきちゃんが言っていたが入学した最初は同じようなことが起こっていたそうだ。
その後の授業も難なく進み放課後になった。
放課後はみずきちゃんと話し合った結果私の出身地と隠している秘密について話すことにした。
「まずここのことを聞かれないようにするね」
そう言って遮音結界を発動する。目には見えないけどこれで外に聞こえないはずだ。
「じゃあ説明するね。信じられないかもしれないけど、私はラノベに出てくるような異世界から来たの」
「ほんと!」
「うん。だから魔法が使えるんだ。
魔法は後で見せるね。
それと私のことについてだけど私がこういう口調なのは私が次期女王だからなんだ」
「そうなんだー!凄いね!」
「でも私に対して態度変えないでね?」
「もちろん!ティアちゃんが女王でも魔王でもティアちゃんはティアちゃんだよ!」
「わかった、じゃあ魔法を見せるね」
「いい案があるんだ。
今日の部活動で手紙を入れるためのポストを作ろうと思っていたんだよね」
ポスト、確かに手紙を入れるのには必要そうだ。それに小さめにしてそのポストごと部室に持ってきて問題を解決できそうだ。
「わかったよ。でも素材とかはどうする?」
「木材でお願いしてもいいかな?」
言われた通りオリジナル魔法を作ってから土魔法でポストを作る。
その後、材質変換を使って土を木にかえる。
「これでどうかな?」
「完璧だね」
「あとはその口調だけだね」
「頑張ってみるよ」
1階に先程出来上がったポストを設置する。
設置し終わったあとまた新しいビラを作り出しておく。
「これで今日の部活動は終わり!」
「じゃあ帰ろっかみずきちゃん」
「さ、レッツゴー!」
その日は久しぶりに魔法を使ったので疲労が出ていた。
MPは無限なので魔力切れではないがこれからは毎日魔法を練習しようと思う。
「異空間」
私が唱えたのは空間魔法で、アイテムボックスとは違い生き物が入れるようになっていて、使用者の魔力により広さが変わる。
私は無限にあるので広さも無限だ。
異空間でたくさんの魔法を放ってから寝ることにした。
次の日になり朝学校にいつもより早くに行く。
そしてみずきちゃんと一緒に昨日作っておいたビラ(全校生徒+先生分)を登校して来る子に配っていく。
その日の授業も昨日とあんまり変わらなくて、昼休みにはみずきちゃんと合気道についてどうするか話し合った。
その結果夏休みに教わることにした。
その後の授業も昨日と変わらずしっかりと受けて放課後になる。
みずきちゃんと一緒に一階のポストを見に行く。
ポストの横に手紙用の紙をつけておいてポストの中身を確認する。
「ティアちゃんあるよ!」
「ほんとだ!初めての仕事だね、みずきちゃん」
「早速部室に戻ってよ持っか」
私たちは入っていた手紙を持って部室に戻る。
1枚だけ入っていた手紙を開くとそこには驚くべき内容が書かれていた。
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