概要
それを思い出せば、鏡の中の深い闇があふれ出てしまう
あらすじ(結末まであります)
OLの宮下愛里は、鏡に映った自分の姿を見ることに恐怖を感じていた。小学生高学年の頃にはすでにこの恐怖症にかかっていたが、原因はどうしても思い出せなかった。
愛里には野島流海、坂田茂雄、柿沼大輔、流海の恋人である堀口拓也ら四人の幼なじみがいた。ある日、柿沼が坂田を殺害して逃走する、という事件が起きた。その数週間後、柿沼が流海の元に現れた。柿沼に襲われそうになった流海は彼を殺害し、自殺してしまう。
愛里と堀口は、子供の頃の遊び場だった河川敷へと赴いた。そこへ、二人を尾行していた刑事、佐々木と小野田が現れる。堀口は愛里と二人の刑事に、愛理の記憶とは異なる過去を語った。小学五年生のとき、流海が自分の取り巻きを作った。粗暴者の二人――坂田と柿沼、控えめで目立たない二
OLの宮下愛里は、鏡に映った自分の姿を見ることに恐怖を感じていた。小学生高学年の頃にはすでにこの恐怖症にかかっていたが、原因はどうしても思い出せなかった。
愛里には野島流海、坂田茂雄、柿沼大輔、流海の恋人である堀口拓也ら四人の幼なじみがいた。ある日、柿沼が坂田を殺害して逃走する、という事件が起きた。その数週間後、柿沼が流海の元に現れた。柿沼に襲われそうになった流海は彼を殺害し、自殺してしまう。
愛里と堀口は、子供の頃の遊び場だった河川敷へと赴いた。そこへ、二人を尾行していた刑事、佐々木と小野田が現れる。堀口は愛里と二人の刑事に、愛理の記憶とは異なる過去を語った。小学五年生のとき、流海が自分の取り巻きを作った。粗暴者の二人――坂田と柿沼、控えめで目立たない二
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!冥鏡死衰の境地にいざなう
鏡で自分の姿を見ることに異常な恐怖心を抱くOL宮下愛里は、小学校時代に仲の良かった五人組の一人である柿沼大輔が、同じ五人組の一人、骨董商の坂田茂雄を殺害したこと、そしてその事件には古い手鏡が関わっていたことを知る。残り二人の仲間、野島流海と堀口拓也に接するうち、自分の過去の記憶の奥底に、暗きとぐろを巻いて佇む不可解なわだかまりを意識し始めた愛里は、やがてその闇が鎌首をもたげて現在に蘇り、襲い掛かってくる戦慄を身をもって味わうことになる……というホラー。信じていたものが鏡像の如く反転してしまう恐怖が、神話的事象に忌まわしく馴染んだ作品である。