第24話 変態紳士


彼の毎晩の日課は


ザ・リッツ・カールトン

で購入した


ホテルメイドの極上の

ピュアコットン製で出来た

肉厚の真っ白なガウンに身を包み


天童木工製の茶革張りの

ロッキングチェアに

ゆらゆら身を委ね


モンテクリスト№四の葉巻を

ゆっくりと燻らせながら

あることをすることで

あった


最初の頃は慣れず

力加減もよく分からないので

よく血を流したり

粘膜を痛めていたものだ


ワセリンや

様々な道具も

使ってはみたが


結局は

素手の感覚と感触が

一番よい

との結論に至った


今夜も彼は

自らの指を少し水で

湿らせて


自らの穴に

ゆっくりとゆっくりと

優しく指を指し入れ


左右の粘膜の感触を

確かめるように

指を慎重に動かしていった


一通りの行為が終わった後


気怠い指先の感覚と共に

彼は大きな満足感に

包まれ


美味しそうに

葉巻の

最後の一服を

ゆっくりと燻らせた


もちろん

その味は格別であった


なぜなら

彼の両鼻の穴の中には


もう

何も残っていないのだから・・・

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