第20話 ダークフォース


「えっ?なに?このメッセージは?」


ある日突然

エミリーがいつも利用しているSNSに

見知らぬ男からメッセージが届いた


男はボルトンと名乗り

エミリーにある依頼をしてきた


「質の悪いイタズラか、愉快犯かしら。。。」


薄気味悪さを感じつつ、ボルトンのメッセージを

読み進めると、驚愕の内容が書かれていた


「私は3億ドル(日本円で約320億円)を持つ資産家です

 あなたに依頼したいことがあります」

「あなたが一番親しくしている友人を殺害して、

 その様子を動画に収めて送って欲しいのです

 報酬は200万ドル(日本円で約2億円)お支払いします」


イタズラにしては質が悪すぎる

エミリーは得体のしれない不快感に包まれた


ボルトンはそんなことはお構いなく

如何に自分に資産が有るか


プールとテニスコート付きの大豪邸や

豪華なクルーザーや

数台ものランボルギーニやフェラーリと

写っている写真を次々と送ってくる


画質は悪いが、ボルトンと思われる人物の顔写真

もどの場面にも写っているので

エミリーは次第にボルトンの話に呑まれていった


「200万ドルかぁ」


エミリーの中で、あれこれと欲しいものやしたいことが浮かび

お金の欲望・魔力に呑まれていく


ついに意を決したエミリーは

親友のケイトをハイキングに行こうと呼び出し

男友達二人をあらかじめ近くに潜ませ

拘束したケイトの頭を男2人に銃で撃ち抜かせ


見晴らしの良い渓谷の大地から

ケイトの亡骸を川に突き落としてしまった


もちろん、その様子は

冷酷に淡々とエミリーが動画に収めていた

そしてボルトンの元へ届けられた


しかし、金は振り込まれない

それはそうだ

ボルトンは資産家などではない

失業中の無職の男なのだから


エミリーに送った写真も

適当にネット上から拾ってきて

巧みに合成してそれらしく見せたものばかり



「ふふふっ。今日もまたいい動画が手に入ったな」


突出したサイコパスのボルトンは

他にも同様の手口で


「近所の家を放火する様子を動画で送ってください」

「少女を誘拐してレイプする様子を動画で送ってください」


と、不特定多数の人間に

おぞましい悪魔の化身のような依頼メッセージを

送り続けた


結果はエミリーの場合と同様

ほとんどの人間が200万ドルの欲望に負けて

ボルトンの依頼を実行してしまった


そんな悪魔の犯行が発覚して逮捕されるまで

一年以上の時間を要してしまったため

被害はあらゆる分野に広がり

そのニュースは全米中を震撼させた


アメリカのような

インターネット・SNS先進国では


ボルトンのように

己の醜い悪魔の欲望をかなえるために

インターネット・SNSを利用する

「ダークフォースの人間」


もいれば


難病患者や困っている方を救うために

善意の輪を広げ、人命を救う

「善のフォースの人間」


もいる


今日もまた

世界中のSNSやネット上では


「善のフォース」も「ダークフォース」も

次々と生まれては

人々の間に広がっている













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