概要
お姫様の口づけは、蛙を王子へ戻す
王子様の口づけは、姫を千年の眠りから覚ます
それでは、魔術師の口づけは――?
機械仕掛けの大時計と、大陸一の科学技術を誇る都市サブリエ。
懐古症候群と呼ばれる病が流行り初めて十数年、サブリエでは「懐古症候群を患った人間は魔術師に殺される」という奇妙な噂が流れていた。
ある日のこと、娼婦として働く少女ラナは、娼館の中に懐古症候群の人間がいることを知る。時を同じくして彼女の前に現れたのは、アランと名乗る美青年の客。謎めいた彼を追って娼館を抜け出したラナは、宵闇に沈む街で目撃する。
懐古症候群の真実、煌めき砕ける輝石の欠片、そして魔術を扱うアランの
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!『己をかけて助けたい人達』と『誰を犠牲にしても守りたい想い人』
この作品では
『懐古症候群と呼ばれる病』
『タイムリープ』
『救いたい相手の違い』
といった内容のシナリオが含まれています。
ファンタジー作品としての戦闘には魔術が用いられ、対立勢力は『魔術師』と『発病者』の戦闘が描かれます。
主人公が己をささげても助けたいと願うのは発病者たち、しかし、自己犠牲でも守りたいと願う想い人を守りたいと思っている人物は犠牲を問わない決断ができる人物で、『想いのすれ違う二人の恋』に焦点が当たった恋愛要素も含んで物語は進んでいきます。
『同じ時間を巡り、全く違う運命をなぞる時間遡行で描かれる物語』
場の雰囲気によって焦点のあ手どころが変わる描写はとても臨場…続きを読む - ★★★ Excellent!!!魔術は宝石から煌めく。
一章までの感想になります。
(まだ連載中で、二章三章と続いてるところですが、先にレビューを書かせて頂きます)
一言で言えば、本当にすごいです。
と、さすがに一言ではレビューにはならないので……(笑)
まず、湊波さんの、読者を引き込む文章力。
まるで映像作品をノベライズしたかのようで、ラナとアランが目の前に居るみたいです。
それから、魔術。
アランから繰り出される魔術は、宝石を使ったもので、詠唱もとてもかっこいいです。
宝石が輝いて、炎や雷の生まれるシーン。
実際にこの目で見たいくらいワクワクします。
あとはなんと言ってもキャラクター。
娼館出身のヒロイン、ラナは親友を守るため…続きを読む - ★★★ Excellent!!!圧巻のセンスが描き出す、鉄と宝石の世界
舞台となるのは科学の発展した灰色の街。仄暗く、薄汚れて、埃っぽい。生ぬるい風に下水の臭いが混ざり込む。正体不明にして治癒不可能な精神病・懐古症候群《トロイメライ》が、都市に不吉な影を落とす……。
この灰色の世界で、宝石を用いた魔術が一際鮮やかな輝きを放つ。
強大な魔術師の放つ彩色は闇を切り裂き世界を救うのか? ――否、そのキセキは、ただ一人の少女を包むためだけにある。
仄かに苦く、それでいて脳が溶けるほど甘い、繊細な情愛。散りばめられたエロチシズム。個性が強く愛おしい登場人物たち。胸の躍る迫力のバトル。張り巡らされた伏線と魅力的な謎。精緻でありながら大胆な展開。作品のトップページに…続きを読む - ★★★ Excellent!!!音と輝きに耳を澄ませ――そなたは、きっと美しい
機械仕掛けの文明が、針の音を鳴らす都市、サブリエ。
大きな歯車のような世界。陰謀という小さな歯車が、音を鳴らす中。
娼館で働く一人の少女、ラトラナジュ。
そこに通う一人の男、アラン・スミシー。
二つの歯車がかみ合った瞬間、運命の歯車が大きく動いていく。
サブリエという名の大きな時計のような舞台の上で、闇をまとった少女と男性が舞い踊る。
二人の一つ一つの仕草や言葉から匂い立つのは、ほろ苦い大人の恋愛。
そっと頬を撫でる指先、彼の服の香りから、どうしようもなく狂おしい気持ちにさせられるのに、甘えたくなってしまうのは何故だろう。
そんなさりげない心の機微が、文章の中で見え隠れす…続きを読む - ★★★ Excellent!!!救済のためのキセキ。
機械仕掛けの大時計がランドマークの科学都市サブリエ。電子端末が発達したこの街には懐古症候群(トロイメライ)と呼ばれる奇病が潜んでいる。患えば「魔術師」がその人間を殺しに来るという。娼館で働くラナは同じ娼婦のシェリルが懐古症候群を発症したと気づく。そんな折に現れたのがミステリアスな客・アランであった。
EP2を読み終わった直後の感動から抜け出せそうにありません。物語の構成、読みやすく頭に入ってくる美しい文章も魅力的ではありますが、叩きつけるかのような盛り上がりに衝撃を受けました。散りばめられた伏線が集束していく、「もしかして?」と思っていたものが繋がっていく。そういったゾクゾクとした展開…続きを読む - ★★★ Excellent!!!謎の奇病が発症する時、輝石は輝き、艶やかな声が詠唱を紡ぐ――。
懐古症病《トロイメライ》、輝石の魔術師、装飾腕輪《レースブレスレット》などなど、これでもかと素敵な言葉で彩られた世界観の中で紡がれる物語です。
ヒロインのラナちゃんは危ういほど人が好くて、情が深くて、彼女を守ろうとする輝石の魔術師・アランさんはしびれるほど格好いい!
そんな二人を中心に、さまざまな人物が絡み合い、事件が起こってゆきます。
物語は、どこへ辿り着くのか、謎が深まるばかりでまだまだ見通せない状況です。
幾重にも張られたカーテンの向こうから、そっと手招きされているように。
輝石の軌跡を……一緒に追いかけてみませんか? - ★★★ Excellent!!!秩序と混沌をつなぐプレアデス
緻密に張り巡らされた伏線と、通底する秘密。そして甘やかで妖しさ漂う愛。
これらが実に読みやすく流麗な筆力を持つ作者さまによって描かれるのですから
――面白くないわけがないのですっ!!
美意識をひしひしと感じるカッコイイ詠唱で生まれる魔法と、術に駆使される輝石。
懐古症候群と呼ばれる謎の病を追うのは、美しく優しい信念を持つヒロイン・ラナと、謎めいたイケメン魔術師・アラン。
私など、この設定だけでグイグイ引き寄せられちゃいます。
アランはラナをとても大切にしていて率直に愛を囁いてもくれるのに、どこか昏い秘密の影がちらついていて……そんなところがまた、ミステリアスでドキドキのイケメンなのです(…続きを読む