第十九話 始まりの場所で

   

 翌日。

 霜の月の第八、草木の日。

 毎晩のように遊び歩いていたフィリウス・ラテスは、その日の朝、父アリカムから、

「今日は、夜、大事な用事がある。寄り道などせず、まっすぐ帰宅するように」

 そう言い渡されていた。

 しかも、今朝のアリカムは厳しい口調と表情であり、間違っても「嫌です」とフィリウスが拒絶できる雰囲気ではなかった。

 都市警備騎士団で小隊長の任に就くアリカム・ラテスは、息子であるフィリウスから見ても、確かに立派な騎士であるように思える。しかし「騎士として品行方正な振る舞いを徹底せねばならない」と口うるさい部分もあるのだ。若いフィリウスとしては、父親とは、なるべく一緒の時間を過ごしたくないと思ってしまう。

 そんなアリカムも、自身の若い頃の行動があるために、夜遊びの件だけは文句を言えない。だからフィリウスにとって、夜に出歩くことは、単なる『夜遊び』以上に特別な息抜きだったのだが……。

「仕方がない。今日だけは……。諦めるとするか」

 そう思いながら、騎士学院で一日を過ごすフィリウス。

 仲間の二人――ブラン・ディーリとグラーチ・シーン――に「今日は遊びに行けない」と告げると、

「偶然ですね、フィリウス様。俺のところも、同じです。今朝、家を出る前に親から『今晩だけは絶対』と言われてしまいました」

「僕は何も言われてませんよ。でも、一人じゃ行っても意味ないし……。残念だなあ」

 ブランとグラーチは、ある意味、対照的な反応を見せた。

 フィリウスとしては、ブランも同じだというのは――「自分だけじゃない」と思えるのは――、少しは救いになる。一方、グラーチに対しては「放任主義が羨ましい」と思ってしまった。

 グラーチの父ポリトゥスは、フィリウスやブランの父親とは違って、都市警備騎士団ではなく、このサウザの街の行政府で働いている。グラーチは「騎士団より偉い!」と思っているようだが、フィリウスは、むしろ「騎士なのに、貴族の真似事ではないか」と見下みくだす気持ちを持っていた。ただ一点、フィリウスがグラーチの両親を「素晴らしい」と評価しているのは、息子の日頃の行動にとやかく口を出さないことだけだった。


 夕方、おとなしく帰宅したフィリウスは、父アリカムの帰りを待ってから、両親と一緒に食事をする。

 親子三人が揃っての夕食は、本当に久しぶりだ。しかし、そこに『家族団欒』という言葉からイメージされるような、和気藹々とした雰囲気は一切存在しなかった。

 ほとんど会話すらない、冷たい空気の中での食事だ。温かい食べ物も、あまり美味しく感じられない。

 それでもフィリウスにしてみれば、食事中に色々と小言や注意を言われるよりは、無言の方が百倍もマシだった。同時に「食事の席で持ち出してこないなら、朝言っていた『大事な用事』とは、この後なのだろうか?」とも考えていた。

 そして、フィリウスの予想通り。

 食事を済ませた後で、

「では、出かけるぞ」

 アリカムの合図で、フィリウスは、アリカムやメレタと共に、屋敷を出たのだった。


 家を出て少し歩いたところで、フィリウスは、思いがけない人物と出くわす。

「おい、グラーチじゃないか。こんなところで、何してるんだ?」

「ああ、フィリウス。僕は、ちょっと様子を見に来ただけだが……。フィリウスこそ、こんな時間に、どこへ行くつもりだい?」

 フィリウスの仲間の一人、グラーチ・シーン。

 彼は夕食後、親に「ちょっと出かけてくる」と言い残して、夜の散歩に出ていたのだ。

 最近グラーチは連日のようにフィリウスの夜遊びに付き合っていたから、夕食が家族と一緒になるのは久しぶりだった。だが、それについて特に何もコメントもしないような両親だったから、夜の外出に関しても「どこへ行く?」と聞かれることすらなかった。

 グラーチは、今晩の外出を禁止されたというフィリウスのことを心配して、さらに「あの様子では、また何か親に怒られるのだろうか。その場に自分が同席すれば、少しくらい、とりなしてやることも出来るだろうか」と考えて、フィリウスの家を訪問するところだった。

「ああ、うん。どこへ行くのか、実は俺も知らないんだが……」

 グラーチの質問に対する解答を持っていないフィリウスは、恐る恐るという感じの視線を、父アリカムに向けた。

 それを受けてアリカムは、

「こちらの若者は……。お前の友人か、フィリウス?」

 まずは友人を紹介しろという姿勢を示す。

「そうです。俺の仲間、グラーチ・シーンです」


「初めまして、アリカム隊長」

 紹介されたグラーチは、アリカムに挨拶する。

 都市警備騎士団の小隊長という地位をグラーチがどう思っているかは別として、一応『アリカム隊長』と呼びかけておけば、失礼にはならないはずだった。

「シーン? ああ、ポリトゥス行政官の息子さんか」

 アリカムは、いちいち息子の友人の名前など覚えていなかったが、フィリウスの『仲間』である二人のことは、一応、把握していた。正確には『仲間』そのものではなく、その親に関する情報を覚えていたのだ。

「ふむ。ならば、ちょうどいい。グラーチ、君も私たちと一緒に来たまえ」

 今からどこへ行くのか、それに関しては答えないまま、アリカムはグラーチを誘う。

「わかりました。ご一緒させていただきます」

 目的地がわからないのは少し不安だったが、グラーチは、それでも断らずに、話を受け入れた。

 こんな夜に行くくらいだから、それほど遠出ではないはずだ。フィリウスも一緒なのだし、困ったことにはならないだろう。

 グラーチは、その程度に考えていた。


「あれ? もしかして、今、向かっているのは……」

「なあ、グラーチ。あそこに見えるのは、例の『魔女の遺跡』だよなあ?」

 後ろの二人の会話を耳にして、前を歩くアリカムが振り返る。

「そうだ。これから私たちは、あの『魔女の遺跡』で、秘密の会合を行う」

 秘密の会合。

 若いフィリウスとグラーチにとっては、色々と想像を掻き立てられる、魅惑的な言葉だった。

「良いのですか? 確か『魔女の遺跡』は、立ち入り禁止だったはず……」

 確認の意味で、尋ねるグラーチ。

 実際、フィリウスは、そのことで数日前にアリカムから叱責されている。その『魔女の遺跡』までアリカムがフィリウスたちを連れて行くというのは、フィリウスにしてみれば、少し納得できない気持ちもあった。一種の二重規範ダブルスタンダードに思えるのだ。

 だが、フィリウス自身がそれを父アリカムに告げるのは、心の中で少し抵抗がある。だから、こうしてグラーチが聞いてくれたのは、ありがたいことだった。

「もちろん、勝手な立ち入りは禁止されている。だが、今夜は特別だ。このアリカムが――都市警備騎士団の小隊長が――立ち会いのもとだから、特別に許可された話だと思って欲しい」

 本当は『許可』なんて、どこからも得られていないのだが……。そもそも『秘密の会合』である以上、公的な届け出など行われているはずもない。

 しかし、フィリウスもグラーチも、そこまで頭が回っていなかった。「都市警備騎士団の……」という言葉を出された時点で、すっかり言いくるめられていた。

「フィリウス、お前たちは、二週間くらい前に、ここで勝手に遊んだのだろう?」

 アリカムは、かなり近づいた『魔女の遺跡』を指し示しながら、厳しい声でフィリウスに問いかけた。

「そうです……」

 いつも仲間に対しては絶対に見せないような、しおらしい態度で答えるフィリウス。

「ふむ。今日は、私が一緒なのだ。そう縮こまらずに、騎士らしく、堂々としておれ」

 アリカムは、まるで見本を示すかのように胸を張りながら、息子に告げるのだった。


 四人の一行いっこうは、アリカムに率いられる形で『魔女の遺跡』と呼ばれる屋敷に入っていく。

 屋内には、人の魔力を利用した照明が、ぼんやりと点灯していた。誰か先に来ている者がいるらしい。

 ファバと肝試しをした夜は、ファバを一人で行かせたが、その前の日には、フィリウスも下見で屋敷に入っている。あの時は、特に何も怖くなかったが……。ここでの肝試しの結果としてファバが死んだ今となっては、フィリウスも『魔女の遺跡』を単なる廃墟とは考えられないのだった。

 踏みしめるたびにミシッミシッと音が鳴る階段を、フィリウスは、少し不安に思いながら、上がっていく。前を行く父アリカムの背中が、いつも以上に広く感じられた。

 自分のすぐ後ろを続くグラーチも、自分の背中を見て同じようなことを思っているのだろうか。最後尾の母メレタは、何を考えているのだろうか……。

 恐怖を紛らわせる意味で、フィリウスは、とりとめもないことを思いながら進むのだった。


 そして。

 アリカムに導かれる形で、三階まで上がったフィリウスたちは、そこから左へ廊下を進み、突き当りにある部屋へと向かう。

 例の『魔女』が焼身自殺をおこなったと言われる、いわくつきの部屋だ。フィリウスたちが肝試しと称してファバを送り込んだ部屋だ。

 肝試しの夜には、崩れ落ちた壁や天井板の破片などが散乱していたが、今は少し違う。瓦礫の大半は壁際に寄せられて、中央には、ちょっとしたスペースが作られていた。

 そんな半端はんぱに片付けられた部屋で、フィリウスたちを出迎えたのは……。

「おお! フィリウス様も来たのですね! しかも、グラーチまで一緒に!」

 フィリウスやグラーチの仲間、ブラン・ディーリだった。

 そして、もう一人。

「お待ちしておりましたよ、アリカム隊長、それにメレタさん」

 アリカムと同じような騎士鎧を着た男。ただでさえ男性としては背が低いのに、その上、少し猫背。さらに、この場にはアリカムもいるので――同じく鎧姿の騎士と無意識のうちに比較されてしまうので――、いっそう低身長に見えてしまう。

 ブランの父親、タントゥム・ディーリだった。


 フィリウスにとってブランは、友人でありながら、どうしても『腰巾着』というイメージが拭えないような存在なのだが……。こうしてタントゥムとブランが並んでいるのを見ると、ブランの腰巾着な性分は父親譲りなのだろう、とよくわかる。

 アリカムとメレタに話しかけたタントゥムは、両手をこすり合わせるような、いわゆる揉み手の仕草をしており、いかにも媚びへつらう感じが全身からにじみ出ていたのだ。

「おお、タントゥム。先に来ていたのか」

 アリカムは、タントゥムに声をかけてから、軽く部屋の中を見回す。

「ふむ。肝心の二人は、まだ来ていないようだな」

「そうです。アリカム隊長をお待たせするなんて、あの連中、何を考えているのだか……」

「まあ、仕方ないだろう。厳格に時間を守る、という概念も、奴らには存在していないのだ。しょせん、犬や猫と同じ存在だからな」

 アリカムとタントゥムの会話を聞きながら、フィリウスは「『肝心の二人』とか『あの連中』とか、いったい誰のことだろう?」と考えていた。

 フィリウスだけなく、グラーチも同じ疑問を思い浮かべていたらしい。

「あのう……。まだ他にも、ここに誰か来るのですか?」

 思い切って質問したグラーチに対して、アリカムが告げる。

「ああ、そうだ。グラーチだけではなく、フィリウス、お前もしっかり聞いておくのだぞ。大事な話だからな」

 そしてアリカムは、説明を始めた。

「今夜ここで、これから行われるのは……」


――――――――――――


 同じ頃。

 レグ・ミナもまた、フィリウスたちが集う『魔女の遺跡』に向かっていた。

 彼は、アリカムに呼び出されたのだった。

 正確には、夕方、南中央広場にあるレグの店まで来たアリカムから、こう告げられていたのだ。

「今ここで、大きな声では話せないが……。お前の要求通り、フィリウスたちに謝罪させよう。出来る限り関係者を集めるから、お前も今晩『魔女の遺跡』まで来るのだ」

 夕方なので、時間的に、店じまいをしている露店も多かった。それでも『今ここで、大きな声では話せない』というのは、いかにも体面を気にする騎士らしい。

 それに、わざわざ『魔女の遺跡』で集会を行うというのは、そこが始まりの場所であるという認識なのだろう。レグの要求した「ファバの墓前で謝罪」とは少し違うが、それは後日ということならば、まずは一歩前進だ。

 そう考えて自分を納得させたレグは、今こうして『魔女の遺跡』へ赴く途中だったのだが……。

「おや、レグさんじゃないですか!」

 聞き覚えのある声に呼びかけられて、彼は振り向いた。

 そこにいたのは、薄茶色のスーツを着た金髪女性。ニュース屋のディウルナ・ルモラだった。

「ああ、ディウルナさんですか。こんな時間に、いったい何を……? 若い女性の夜の一人歩きは、危険ですよ」

「いやいや、誰もあっしなんて『若い女性』扱いしないから、大丈夫ですよ」

 そういう問題ではないし、そもそもレグから見れば、ディウルナだって、十分に若くて魅力的な女性に見えるのだが。

 レグが、口には出さずに、心の中だけで思っていると、

「まあ、レグさんがそう言ってくださるなら……。目的地まで、あっしをエスコートしてくれませんか?」

「いやいや、残念ながら、それは無理ですね。どこまでディウルナさんが行くつもりか知りませんが、私は私で、今から大事な用事があって……」

「その用事なんですがね。もしかして……」

 ディウルナは、ニヤリと笑いながらレグに問いかける。

「……レグさんの行き先も、あっしと同じで『魔女の遺跡』なんじゃないですか?」


 レグがアリカムに呼ばれたように、ディウルナはディウルナで、ブランの父タントゥムから誘われたのだった。

「取材だったら、関係者を集めた方が都合がいいだろう、と言われましてね。しかも、因縁の『魔女の遺跡』で行う、って話じゃありませんか。これは絶対に行くしかない、って思いましたよ、あっしは」

 ディウルナの方は「取材のため」という話であり、レグの方は「謝罪させるため」ということだから、微妙に目的は違う。しかし、どちらも同じ『魔女の遺跡』という場所だ。同じ集まりであることは明白だった。

 そもそも、ついでに二つの用件を済ませることは、不可能ではない。それに、フィリウスたちがファバに謝意を示す現場にニュース屋のディウルナが立ち会うことは、レグにとっても好都合だった。

「そこまで考えて、アリカム様たちは、今夜の会合をセッティングしてくれたのでしょうか」

「さあ、どうでしょうねえ。どちらにせよ、その場で取材できるなら、ばっちり記事にすることを約束しますよ」

「頼みます、ディウルナさん」

 こうして、レグとディウルナは『魔女の遺跡』まで同行することになった。


 屋敷に到着した二人は、特に案内はされていなかったが、自然に三階へと向かう。建物に入る時に、ディウルナが「三階の部屋の窓から明かりが漏れている」と気づいたからだ。

「あっしが思うに、おそらく、あそこなのでしょうね。問題の『魔女』が自殺したという部屋は」

「つまり……。息子が肝試しをした部屋ですか」

「わざわざ『魔女の遺跡』に集めたくらいです。いわくつきの部屋を使う、って考えるのが順当でしょうよ」

 そんなディウルナの推察を聞きながら、彼女と一緒に、レグは問題の部屋へ。

 二人が部屋に足を踏み入れると、

「あら。ようやく来たようですわ」

「ふむ。二人同時に来たのか……」

 ずらりと立ち並ぶ人々の中で、最初にメレタが反応を示し、続いてアリカムが呟いた。彼の声は、少し困ったような響きを含んでいる。そうレグには聞こえた。

「二人まとめて相手するのは、面倒かもしれませんね。アリカム隊長、ニュース屋の女の方は、俺が別室で対処しますよ」

 すかさず述べたタントゥムの瞳に、好色漢の輝きを見て取れた者は、その場にいた面々のうち、娼婦上がりのメレタだけだっただろう。ディウルナも女性であるが、彼女が気づくほど明白なものではなかったのだ。

 ましてや男性たちには――そうした視線を向けられたことのない者には――、タントゥムの思考などわかるはずもない。アリカムは、タントゥムの言葉を素直に受け取ってしまう。

「そうか。では君に任せよう、タントゥム」

 アリカムが頷くのを見て、タントゥムはディウルナに話しかける。

「そういうことですから……。ディウルナさんは、俺と一緒に、どうぞこちらへ」

 言葉だけ聞けば紳士的にエスコートしているようでもあったが、残念ながら、下品な笑顔を浮かべたままでは、それも台無しだ。

 それでも、

「あっしは、取材さえ出来れば、誰からでも構いません。まずはタントゥムさんから、ということですか? ええ、お願いしますよ」

 ディウルナは嫌がることなく、タントゥムと共に部屋から出て行く。


 レグとしては、フィリウスたちが謝罪する様子を記事にしてもらいたいので、ディウルナが別室へ連れて行かれるのは歓迎できないのだが……。

 この場の段取りを決めるのは、今晩ここに人々を集めたアリカムやタントゥムのはず。だから、この程度のことで、あえて口出ししようとは思えなかった。肝心なのは、まずフィリウスたちに謝らせることなのだ。そこだけは譲れない……。

 そんなことをレグが考えていると、二人の姿が見えなくなったところで、ふと気づいたようにアリカムが声を上げた。

「おい、お前は何をしているのだ?」

 アリカムの視線は、タントゥムの息子ブランに向けられている。

 叱責するというほどではないが、少なくとも文句や不満のあるような口ぶりだった。

「タントゥムが行動を起こしたのに、その息子が、ぼうっと立っていては駄目だろう」

「ああ、すいません」

 何を怒られているのか、わからない。そんな感じで、戸惑いの色を顔に浮かべたまま、反射的に答えるブラン。

「わからないのか? 命令される前に自分から動くのも、騎士として大切なことだぞ。もたもたせず、父親のサポートをするために、お前も行け!」

「はい!」

 具体的に言われてようやく、ブランは、父タントゥムを追って、慌てて出て行く。

 こうして。

 都市警備騎士団の小隊長であるアリカムと、まるでおしとやかな良妻のように傍らに控えるメレタと、彼ら二人の息子フィリウスと、そのフィリウスの友人グラーチと……。

 合わせて四人が、レグと共に、いわくつきの部屋に――始まりの場所とも言える部屋に――残った。


「さて、それでは……」

 レグの方に向き直るアリカム。

 いよいよ本題に入るのだろう。三人のうちの一人を別室に追いやってしまったが、まずはフィリウスから一人ずつ、今は亡きファバに向かって謝罪させるのだろうか……。

 そう思うレグだったが、彼の予想も期待も裏切って。

 アリカムは、腰の剣を引き抜いた。

「何をっ……?」

 驚いたレグは、それ以上は言葉も出ないし、体も硬直してしまった。

 そんなレグに対して、

「これが、お前を呼び出した用件だ」

 言葉と同時に、剣を振り下ろすアリカム。

 レグはバッサリと袈裟斬りにされて、派手に血を吹き出しながら、その場に倒れ込むのだった。

   

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