第二十三話 裏の仕事、二戦目

   

 復讐屋の四人が――ピペタ・ピペトとゲルエイ・ドゥとモノク・ローとみやこケンが――、フィリウスたち三人を、予定通りに仕留めた後。

 彼らはその亡骸を、廊下や階段に放置するのではなく、一つの部屋に集めていた。

「モタモタするんじゃないよ。まだ、第二ラウンドがあるからね」

「貴様に言われずとも、わかっている」

 ゲルエイの言葉に反発するような態度を示しながら、殺し屋モノクも、ゲルエイたちと共に作業を続ける。

 死体の行き先は、かつて『魔女』が呪いの儀式として焼身自殺を決行した部屋。フィリウスたちが肝試しと称してファバを送り込んだ部屋であり、また、レグやディウルナがアリカムたちに呼び出されて集まった部屋でもあった。つまり、今回の事件には何かと因縁の深い部屋だった。

 復讐屋の演出により、フィリウスたち三人は「呪い殺される!」と恐怖しながら死んでいったはずだ。だが、それだけではなく、世間の人々からも「彼らは呪い殺されたのではないか?」と思われた方が良いだろう。その方が、レグの「三人を呪って欲しい」いう要望に沿うに違いない。

 ならば、彼らの死体は、ただ『魔女の遺跡』というだけでなく、いわくつきの部屋で発見されるべき……。ゲルエイたちは、そう考えたのだった。


「これで、三人はしょう懲りもなく同じ場所で肝試しをして、その結果として呪い殺された……。そんな噂になるわけですね」

 死体を運びながら、ケンがそう言うと、

「しかし、そう上手く話が運ぶか? 人々がどう思うか、わかったものではないだろう」

 モノクが、疑問の声を上げた。

「心配するんじゃないよ、殺し屋。そこら辺は、あたしらが上手く誘導するさ」

 ゲルエイは、これから南中央広場で噂になった時に、それとなく「三人は呪い殺された」という説を持ち出してみようと思っていた。

 いざとなったら「占いで何かが見えた」という形にしてもいい。ゲルエイは、そこまで考えていたのだ。

「あたしは、占い師というオモテの仕事を、ここぞとばかりに利用するから……。あんたも頑張っておくれよ」

 ゲルエイは、ピペタに話を振る。

「無理を言うな。私は、あまり露骨には動けんぞ」

 口ではこう言っているが、ピペタは都市警備騎士団の一員として働く警吏だ。直接ピペタが事件の担当ではないにしても、三人が亡くなった件は、騎士団の中でも噂話になるだろう。その際に「街では『三人は呪い殺された』という話もあるらしい」と言及するくらい、ピペタにも出来るはずだ。

「人の口に戸は立てられない、って言うからね。一人や二人に話せば、そこからバッと広まるだろうさ」

 そう決めつけるゲルエイ。

 中には、そうした話題に興味などなく、自分のところで噂を止めてしまう者もいるかもしれない。それでも、最初に数人に話すだけで、かなりの人数に話が広がるはずだ。

「貴様たちが、そのつもりならば……。俺は俺で、楽屋で芸人仲間と話す際に、そういう方向性で意見してみるとするか」

 ゲルエイの話に理解を示し、否定的だったモノクも、協力的な態度を見せるようになった。

「そうなると、僕だけ何も出来ないのが、少し肩身の狭い思いですね。何しろ僕は、別の世界の人間であり、この世界の人々とは交流がないので……」

 申し訳なさそうなケンに対して、ゲルエイが、あたたかい声で言葉をかける。

「いいってことよ。ケン坊は、仕方がない。まあ情報操作は、あたしら三人だけで十分だね」


 そうやって話しながら、四人は無事に、死体運搬を終わらせて……。

「さあ、ここから出るぞ。こんなところに、長居は無用だ」

 ピペタの言葉を合図に、問題の部屋から立ち去ろうとしたのだが。

「ゲルエイさん? どうかしましたか?」

 ケンが少しだけ足を止めて、少し不思議そうに、ゲルエイに呼びかけた。

 ゲルエイの様子が気になったのだ。彼女は、何か意味ありげに、じっと壁の方を見ていたようだが……。

「いや、なんでもない。忘れておくれ。さあ、ケン坊。あたしたちも、次へ行くよ」

 ゲルエイに促されて。

 ケンは、ピペタやモノクに続いて、色々あった部屋を後にした。


――――――――――――


 同じ夜。

 アリカム・ラテスの屋敷では、タントゥム・ディーリをまじえて、報告会が行われていた。

「ではタントゥムの調べでも、彼らが生きているという痕跡は、何も出てこなかったのだな?」

「そうです、アリカム隊長。こうなると、おそらく……」


 昨晩、息子たちがレグとディウルナの死体を『魔女の遺跡』まで持ち帰らなかったことで、アリカムたちの計画には少し狂いが生じていた。二人の死を『魔女』の呪いに見せかけるために、わざわざ因縁の屋敷まで呼び出したのに――『魔女の遺跡』で死体が発見されるようにお膳立てしたのに――、全て水の泡となったのだ。

 二人が生き延びて、都市警備騎士団に事件を訴え出るという事態まで想定しなければならなくなったが……。幸い、騎士団には報告など全く入ってこなかった。

 だが、それだけでホッとするのは、まだ早い。アリカムもタントゥムも、本日の仕事の後、手分けして、近隣の治療院を調べたのだった。少なくとも、二人が酷い手傷を負ったことだけは間違いない以上、生き延びるためには、どこかで治療を受ける必要があるからだ。

 回復魔法の使い手などいないような――簡単な手当てしか出来ないような――、庶民向けの治療院だけではない。立派な魔法使いをかかえる、騎士や貴族の御用達の治療院まで、アリカムたちは聞き込みをして回った。

 本来、治療院では、患者の情報を外部に漏らすことを嫌がる。だがアリカムたちは、都市警備騎士という役職を活かして「詳細は説明できないが、これは大事な捜査、しかも極秘の捜査だ。守秘義務など考慮せず、全て話して欲しい」という態度で、情報の開示を迫った。

 しかし、いくら調べても、レグやディウルナと思われる人物が「治療を受けた」という記録は出てこないのだった。


「……二人は、もう生きてはいないのでしょう」

「うむ。そう考えるのが、順当だろうな」

 タントゥムの意見に頷きながら、アリカムはワインを口に運んだ。

 一応は『報告会』なのだが、実はアリカムは、すでにレグもディウルナも死んだと確信している。その態度は妻メレタにも伝わっており、タントゥムが来た時点で、テーブルの上には、酒と料理がふんだんに並べられていた。実質的には『報告会』というより、ささやかな祝宴――面倒のタネだった二人が消えたお祝い――と呼ぶべきなのかもしれない。

「でも、それなら、どうして二人の死体は出てこないのでしょうか?」

 メレタは、からになったアリカムのグラスにワインを注ぎながら、一般人らしい疑問を口にする。

 それに対してアリカムが答えるより早く、

「それは簡単ですよ、奥さん」

 タントゥムが、口元に笑みを浮かべながら、答えを返す。

「二人は、俺たちに見つかるのを恐れて、どこかに隠れたのでしょう。治療院にも行かなかった、というのが、その証拠です。そして隠れたまま、そこで野たれ死んだのです」

 メレタから見たタントゥムは、いつまでも出世できない下級騎士に過ぎない。それでも警吏という仕事柄、メレタよりは、こういう事情に詳しいようだった。

 アリカムもタントゥムに賛同して、

「考えてもみろ。隠れる以上は、誰の目にもつかない場所を選んだはずだからな。そこで息を引き取れば、死体が発見されることもないという寸法だ」

 続いて、さらに説明を補足する。

「メレタは知らないだろうが……。騎士団に報告される行方不明の件数というものは、案外、多いものなのだ。だが、街の中で生活していれば、いずれは見つかるはず。かといって、報告された全てが、街から出ていったとも考えられない」

「ですから、奥さん。そうした行方不明の多くは、人目につかない場所に隠れて、そこでそのまま、おっんだと考えるのが妥当なわけです。それを知っている俺たちは『ああ、あの二人も同じなのだな』と想像できるのですよ」

 そう言うタントゥムのグラスも、いつのまにかからになっていた。気づいたメレタが酌をしながら、確認するかのように呟く。

「では、あの二人の死体は、このまま永遠に出てこないということに……?」

「永遠がどうかは私にもわからんが、かなり長い間、出てこないことは確実だろう」

「例えば遠くの空き家に逃げ込んだりしたら、そこを建て直す話が持ち上がった時にでも、死体発見となるでしょうね。でも、その時には、もう腐敗して身元も判別できない状態になっていますよ」

 アリカムとタントゥムの言葉を聞いて、メレタは、納得したように笑顔を浮かべた。

「あの二人も、行方不明者のリストに名を連ねることになるのですね。行方不明というのも、色々と想像の余地がある分、むしろ効果的かもしれませんね」

 最初に想定していた「『魔女』の呪いが伝染して、レグとディウルナが死んだ」というストーリーは、もう成立しないかもしれない。だが「呪いにより死亡」という部分が「呪いにより行方不明」に置き換わるだけだ。

 心霊現象に関する噂話や怪談などでは、行方不明という形で終わるパターンも多い。だからメレタは、むしろこの方が「それっぽい」と思うのだった。

 そんな妻の考えは、アリカムにも伝わっていた。

「呪いとか怪談といったオカルト話は、得体の知れないものだからこそ、恐怖の対象になるのだろう。そして、はっきりしない末路こそ、得体の知れないもののきわみだ。メレタの言う通り、二人が消えてしまう方が『むしろ効果的』になるのではないかな?」


 それからしばらく、三人は酒と料理を楽しんでいたが……。

「……少し変ですね」

 突然、何かに気づいたように、メレタが眉を曇らせる。

「そろそろ、追加の料理が来ても良い頃なのですが……」

 あらかじめ、メレタは大量に料理を作っておいたし、追加の仕込みも用意してあった。だから台所にいる使用人たちが、料理のなくなるタイミングを見計らって、適宜それらを運んでくる手筈になっていたのだ。

 まだ来客は帰っていないのだから、宴会が続いているのは、使用人たちも承知しているはずなのだが……。

「怠けているのではないか?」

 酒をあおりながら、吐き捨てるように言うアリカム。

「これだから、庶民は……。犬猫やゴブリンと同じ存在どころか、それ以下だな。ペットだって正しく躾ければ、飼い主の命令くらい忠実にこなせるぞ」

「まったくですな、アリカム隊長」

 そんな男たちを横目で見ながら、メレタは席を立つ。

「ちょっと様子を見てきます」


 ラテス家の使用人のうち、この時間まで残っているのは、住み込みの二人だけだ。今は二人とも、台所でスタンバイしているはずだったのだが、

「まあ!」

 その場に着いたメレタが目にしたのは、テーブルの上に突っ伏して、眠りこけている二人の姿だった。

「本当に、酷い怠け者たち!」

 二人とも叩き起こそうと思って、メレタがテーブルに近寄った時。

 バタンと音を立てて、台所の奥にある通用口の扉が、大きく開いた。

「こんな時間に、誰かしら?」

 タントゥムの他に、今夜は来客の予定などない。そもそも、客ならば玄関から来るべきであり、台所に上がり込もうというのは非常識だ。

 憤慨しながら、メレタは、ドアの方へ。

 開いたままの扉から顔を出して、少し辺りを見回すが、誰の姿もないようだった。

「おかしいわね。扉が勝手に開くはずないのに……」


――――――――――――


「さすがに、これは『大物ゲットだぜ!』とは言えないなあ」

 庭の木の上でひそんでいるケンが、独り言と共に苦笑する。

 その場所からキャストしたルアーを引っ掛けて、彼が扉をけたのだった。

 夜の暗闇の中、釣り糸もルアーも、メレタには気づかれていない。詳しく調べられたらバレるだろうが、そんな時間を与えるつもりはなかった。

 今、ケンが見下ろす先では……。


 メレタがキョロキョロと、外の様子に目を向けている。そのメレタの背後に迫る、一つの影。

「女のあんたは、女のあたしが仕留めてやるよ」

 いきなりの声に驚いて、振り返るメレタ。彼女の視界に入ったのは、真っ黒な女だった。それこそ『魔女』のような姿だった。

「きゃあっ!」

 メレタは、悲鳴を上げる。

 先ほどまでの会話や、昨日の出来事があっただけに、そんな連想をしやすい状態になっていたのだろう。『魔女』に見える女を見て「『魔女』に呪われる」という話が頭をよぎったはずだ。

 しかし、その瞬間。

「ソムヌス・ヌビブス!」

 睡眠魔法ソムヌムを食らって、メレタは、その場に崩れ落ちた。


 当然メレタは知らなかったが、二人の使用人を眠らせたのも、ゲルエイの魔法だった。

 つまり、すでにゲルエイは、屋敷の中に忍び込んでいたのだ。

 だからゲルエイは、不意打ちでメレタを襲うことも可能だった。だが、わざわざ背後から驚かせるためだけに、ケンにドアをひらかせていた。

 息子たちほど明確に「呪い殺す」必要はないにしても、出来れば恐怖させてやりたい……。ゲルエイは、そう考えたのだった。

 だが、メレタの『恐怖』も、これ以上続くことはない。

 眠ったまま、彼女は死んでいくのだから。

「あんたの運勢、占ってやろうか? ……いや、占うまでもないね。あんたを待っているのは『死』だ」

 決め台詞を吐きながらゲルエイは、メレタの頭に水晶玉を叩きつけて、その命を奪う。

 奇しくもメレタは、彼女の息子フィリウスと全く同じ殺され方で、あの世へ送られたのだった。


――――――――――――


「きゃあっ!」

 メレタの叫びは、アリカムやタントゥムのところにまで届いていた。

「何か聞こえましたね、アリカム隊長?」

「うむ、そうだな」

 台所から離れているので、鮮明な声として耳に入ったわけではない。それでも、女性の悲鳴ということだけは理解できた。

「怠けていた使用人たちが、メレタに手酷く叱責されているようだな」

 自分で言っておきながら、アリカムは「それは少しおかしい」と思った。使用人が泣き喚くほど怒られているなら、メレタの怒鳴り声だって、ここまで聞こえて来るはずだ。

「それなら良いのですが……。もしも賊でも押し入ってきたのであれば、奥様の身が心配だ。ちょっと、俺が様子を見てきます」

 そう言って、タントゥムが立ち上がる。

 彼としては、もしもアリカムの言葉通り「使用人が怒られている」という状況ならば、メレタの叱責に便乗しようという魂胆もあった。召使いは女性であるのが一般的だから、罰を与えるという口実で、少し楽しませてもらおう――その女の体で遊ばせてもらおう――という下心だ。

 酔った頭で妄想して、思わず顔がニヤけてしまうタントゥム。

 良い気分のまま彼が、部屋を出ようと、扉を開けた瞬間。

 一陣の風が吹き込むように、彼の横を駆け抜けて部屋に入る、黒い人影があった。

「……?」

 はっきりとタントゥムが視認する暇もない、瞬時の出来事だった。

「貴様も俺の標的だ」

 黒い人影――殺し屋モノク――が呟いた時。

 喉笛を搔き切られたタントゥムは、そこから血を噴き出しながら倒れ込み、すでに絶命していた。


 一瞬、反応が遅れた――驚いて何も出来なかった――アリカムだが、タントゥムが崩れ落ちたのを見て、我に返る。

「誰だっ、貴様っ!」

 タントゥムを始末した殺し屋は、走り抜けた勢いで、部屋の壁際まで入り込んでいた。

 その体つきから、黒装束の殺し屋が女であることは、タントゥムにも理解できた。彼女は右手に鉤爪を装備しており、今その武器は、タントゥムの血に濡れて、不気味にきらめいていた。

「先ほどの、あの悲鳴……。まさか貴様、ここへ来るまでに、メレタまで手にかけたのではあるまいな?」

 殺し屋モノクを睨みつけながら、アリカムは、近くに置いておいた騎士剣に手を伸ばし、武器を構える。

 メレタが殺されたというアリカムの想像は、間違っていなかった。ただし、その犯人は、ここにいるモノクではなかった。しかし、そうした事情を、アリカムが知る由もない。何も知らないアリカムにしてみれば「一人の殺し屋に屋敷を襲撃された」と考えるのが、当然だったのだ。

「どちらにせよ……。無事に帰れると思うなよ!」

 気合を込めて、アリカムが剣を握り直した時。

「アリカム隊長!」

 叫び声と共に、新たな闖入者が現れた。


 今度は、アリカムも知る人物。アリカムと同じく、都市警備騎士団で働くピペタだ。

「ピペタ隊長! どうしてここに?」

 アリカムは、壁際に佇む殺し屋から目を逸らすことなく、ピペタに声をかけた。

 ピペタは、殺し屋モノクには近づかないように気をつけながら、部屋に入ってくる。

「勝手に上がり込んで、申し訳ない。たまたま近くを通りかかったら、門が開いており、しかも中が騒がしかったので、心配になり……」

 アリカムから見れば、ピペタの発言では十分な説明になっていない気もする。だが、今は貴重な援軍だ。細かい部分を追求するのは、後回しにするべきだった。

 ピペタがアリカムの斜め後ろに回り込むのを、アリカムは視界の端で見て取った。あくまでもピペタは後ろから援護するだけで、前面に立つのはアリカム。そういうことなのだろう。

 ピペタの意図を勝手に推測しながら、アリカムは背後のピペタに、言葉だけを投げかける。

「ちょうど良いところに来てくれましたな、ピペタ隊長。賊が侵入して、たった今、タントゥムが一瞬でられたところです。あの女、なかなかの手練てだれのようだ」

「ほう、強敵なのですか。では、二対一で……」

 ピペタも剣を構える音が、アリカムの耳に入った。

 確かに、二対一ならば、こちらが圧倒的に有利だ。問題の殺し屋の女が今、全く動けないでいるのも、それだけ警戒している証なのだろう。

 そう考えたアリカムは、ピペタとの会話を切り上げて、それまで以上に、前方の刺客に意識を集中したのだが……。

「……!」

 脇腹に激痛を感じて、思わず、振り返ってしまった。

 そして、信じられない光景を目にする。

 ピペタがアリカムの体に、グサリと剣を突き立てていたのだ!

「ピペタ隊長、いったい何を……」

 目を丸くして、それだけ言うのが精一杯。アリカムは力を失い、握っていた剣も取り落してしまう。

 ピペタの刺突は、殺しに慣れた人間の暗殺剣だった。どこをどう刺せば、どれくらいの時間で死に至るのか、よくわかっている者の一撃だった。

「勘違いしないで欲しいな、アリカム。『二対一』というのは、こういう意味だ」

 いつになく低い声で告げながら、ピペタが、内臓に致命的なダメージを与えるように抉った瞬間。

「貴様も俺の標的だ、主犯格のアリカム」

 殺し屋モノクがアリカムに駆け寄り、その喉笛を切り裂いた。

 そして、アリカムが絶命するのを確認しながら、彼女は小声で宣言する。

「依頼は実行された。これで完全に……」

   

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