概要
私達が生きるこの世界で起きた、一つの奇跡を、是非とも皆さんへ……。
日本の大都市、東京。その東京の二十三区外にある、都会過ぎず田舎でもない、ほどよく暮らしやすいとある町にあたし、小野寺神無(おのでらかんな)は住んでいる。
今年の四月から中学生になったあたしは、同じクラスで気になる男子を見つける。友達がいないわけではないけど、よく休み時間に雑誌のような本を読んでいるその男子を、あたしはついつい目で追ってしまっていた。
そんなことが一か月も続いた後のゴールデンウィークのある日。シングルマザーの母が仕事に出かけ、中学生になってからやたらと増えた宿題を家で一人片づけていると、玄関の呼び鈴が鳴った。
玄関の扉を開けて話を聞くと、どうやらたまに来る宗教勧誘っぽい二人組が、何やら聖書や神様の話らしいことを言っているようだった。
「うちの家族は、神様なんて信じてない
今年の四月から中学生になったあたしは、同じクラスで気になる男子を見つける。友達がいないわけではないけど、よく休み時間に雑誌のような本を読んでいるその男子を、あたしはついつい目で追ってしまっていた。
そんなことが一か月も続いた後のゴールデンウィークのある日。シングルマザーの母が仕事に出かけ、中学生になってからやたらと増えた宿題を家で一人片づけていると、玄関の呼び鈴が鳴った。
玄関の扉を開けて話を聞くと、どうやらたまに来る宗教勧誘っぽい二人組が、何やら聖書や神様の話らしいことを言っているようだった。
「うちの家族は、神様なんて信じてない