殺愛衝動
君と私との関係は私たち以外の誰も知らない
私たちはそれぞれ周りに嘘をついて
(その嘘は誰のことも傷付けない嘘だ)
誰もいない街中を2人歩く
(実際には人はたくさんいるがそれは『背景』だ)
私たちはときに手を重ね
唇を重ね体を重ね
(愛というものが実在しないと知った今でも)
愛を鎖骨や鼠径部から漏らしている
離れがたく忘れがたい愛の匂いに
その愛を殺したい
取り戻しようのないくらいに引き裂いて
君の泣き顔を見たい
君が離れていく後ろ姿を眺めていたい
愛を殺した後悔を背負いまた次の愛を中毒患者のようにただ利己的に求めたい
殺された愛の残骸が無くなるまでその欠片に貫かれ続けていたい
その愛が殺されたことを私たち以外は知らず世界は何事もなく動いていく
殺された愛の哀しさは私たち2人だけのものだ
愛は殺されるためにあるのだ
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