Lola

おじいちゃんが呟いたその名は

どうやら外国人の名前みたいだ

続いておじいちゃんは呟いた

「なんとナントに行くんだ」

しきりにそう言っている

初恋の人だ

勘のいい私は察知する


緑が眩しい こんなにも

川が街を横断している

河が町を横断している

おじいちゃんが見た景色か

ローラの見た景色か


真っ白い車が滑ってきて私の横に止まる

運転手はローラを探している

Lolaは真っ白の あるいは真っ黒のフィルムに焼き付いた

かがやきのうちのひとつだった

私はLolaに逢った、たしかにスクリーンの中で外で

中と外は繋がり


これに焦がれていたんだ

離れがたく耐えがたくこの記憶に結ばれていた


かがやきのうちに投げ出され私は

真っ白い車に同乗した

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