短詩10本・9 さようならを言わない私

愛のある視線を他人に向けるな


側溝の中に僕たちの汚れた骨が埋もれている


僕らは過去を切り売りして死なず


さようならを言わない私はずっと君のそばにいる


ざりざりとした記憶が僕の瞳孔を開く


両端だけで吊られたカーテン 半円形の波を注ぐ


手袋の死骸が転がる あんまんを食べた夕暮れに


ビルディングに浮かぶ夕焼け雲のタイルアート


鏡の中の白鶴が真っ赤な歯茎を見せ笑う


君から見た私の感情比率を教えて

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