夜迷い言

眠さをこらえて いやこらえきれずにあくびをした

ぬいぐるみから すのこのような匂いがする

私は後回しにしているもろもろのものをとりあえず置いておいて

ベッドの中に 布団の中に


ハンディカメラを充電している

正しくは、ハンディカメラを充電しているときにチカチカと点滅する赤橙色の光が見える

私の部屋の電灯は、なんかよくわからないけど

消したあともまだ少し光が残っている

それも見える 目は悪いけれど


眠さが布団と体の狭間に寝そべっている

頭の後ろがちょっとだけ眠さに浸かった

それ以上浸かる方法を私は知らないので

ぼーっとする ぼーっ と する


弁当は洗っただろうか

朝食用のご飯は炊いただろうか

犬猫にごはんはあげたっけ

今まで気づかなかったけどこれもしかして北枕かな


きりがいい瞬間はやってこない

よし、寝るぞ!と言ってすぐ寝られる人を尊敬する

そういう人は死ぬときもそうなんだろうか

尊敬しきりだ


きり悪く死んでいくならちょうどこういう日がいい

こういう夜がいい

私はそう思いながら

いや本当はもっときりが悪いタイミングで

目を閉じた 目を閉じた

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