短詩10本・5 漏れ陽

エアコンで揺れるカーテンからふた筋の漏れ陽壁に伸びている ふれずとも暑さにため息をつく


夢の跡もがき楽しめ兵ら


風見鶏は北風にそっぽを向き南風を売りさばいている


雨の降らない夜・夜


愛のない目線を他人に向けるな


濡れた松ぼっくりのように雀が死んでいた


夜中 コンビニ 駐車場 タクシーがUターンをした


フェンスを駆け登るサッカーボール


誰も見たことのない空を僕は見てしまって その空は空に溶け込んでしまった


げた箱に入っていた小さな小箱 黄色いリボンで結ばれていて

僕は中身を見ずに裏庭の草むらに置いておいた

掃除のおばさんが拾って捨ててくれるだろう

それとも自分へのプレゼントと思うだろうか

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