短詩10本・7 オープンカー

オープンカーでひそひそ話


きゅうりの漬物素手でむしゃむしゃぼりぼりこりこり食べてみる


前を歩く君の土踏まずを突っ蹴る愛


真っ白なマネキンに黒いコートを掛ける 彼の腕を生やしたのは私


dix-septに僕らは時間を賭ける これまでとこれからの明滅のない時間を


昨日の筋肉痛に気がつく五月晴れの夜


いつもの駅のホーム 後ろ側で並んでみる 世界が逆転したようだ


君が待っていたのは僕ではなく問い


空欄を塗り潰された問診票


僕は名刺を持っていない名のない白魚

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