概要
陰陽道、オカルト、自殺、蝶と魂。かつて傍らにあった孤独。
――人は死ねば蝶になる。
そんな言葉を、夜の星を見て、思い出した。
***
2018年。春。
Y大学で連続自殺事件があった。
一人目。
藤田源次郎。大学清掃員。
自室の壁に頭部を打ち付け、頭蓋骨陥没、くも膜下出血により死亡。
推定される動機は多額の借金が家族に露見。また、同僚との軋轢。
二人目。
中村ちえみ。大学事務員。
浴槽でのリストカットによる失血死。
推定される動機は恒常的な職場ストレス。元々リストカットの常習者であり、
その延長であったと予想される。
三人目。
獅童昌也。大学研究員。
市内の貯水池に長時間、『遊泳』した末の体温低下による衰弱死。
推定される動機は就職活動の失敗、大学院進学の失敗など将来への絶望に起因。
四人目。
風見巴子。大学4年生。
所属する研究室の
おすすめレビュー
書かれたレビューはまだありません
この小説の魅力を、あなたの言葉で伝えてみませんか?