まっすぐ触手と歪んだ現代人

「す、好きですっ！　つ、付き合ってくださいっ！」

　学校の中庭、雲ひとつなく澄み渡った空に、噴水が小さな虹を作り出す中の、甘酸っぱい言葉。
　絵にかいたような告白。
　誰もが一度は憧れるのではないだろうか？
　告白してきた相手が、醜い触手生物でなければ……。

　大学受験合格に浮かれるまま、散歩がてらに立ち寄った神社。
　手を合わせたら、そこは異世界！
　周りには、触手やら、魚人やら、蟲やら！
　人間はどこにもいない！
　それどころか、自分も触手になっていた！

　しかし、憑りついた触手本来の人格も、地球に呼ばれていて――

　「なんという超展開！　おそるべき理不尽！」
　「人間よ！　お前だけが理不尽だと思うな！」

※　本作は、触った神に祟られ、異世界に飛ばされた主人公が帰還を目指す（と…続きを読む