第15話4月15日/幼なじみで楽しもう


 さて、王族以外の攻略キャラをやってみよう。

 誰を選ぼうか。魔法使い? それとも宰相にしようか。


 ヒロインはRPGに進めない。

 じゃ、ヒロインの並列キャラ、『幼なじみ』でやってみよう。彼女はRPGに進む事が出来るのだ。


 アバタに名前をつけた。


 このはヒロインと全く同じ動きをする、と吹き出しに書いてあった。チュートリアルだけのオマケキャラらしい。


 ライバルキャラとの『対話イベント』もあったし、間違いないようだ。


 選んだのは宰相(の息子)。やがて国を裏から支配する大物になる、なーんてね。


 冗談の積もりだった。


 うわっ、宰相は第二王子などとは比べものにならない程に高性能だった。幼なじみわたしのマスタすべき必須スキル、ステータスも多いし 求められる値も高い。


 なぜか彼のスキルには『帝王学』があった。


 一度決めてしまうと、スキル取得、性能アップは そう困難な事ではなかった。なぜかって? 彼の婚約者が協力してくれたのよ。だから ハッキリ言うと、すごく簡単だった。


 まぁ、分かってたけどさ、婚約解消するつもりなのは。でも あからさま過ぎない?


 第二王子が婚約解消された。

 そして、元婚約者は書記長(の息子)と婚約した。え、第一王子じゃないの?


 なぜか、また内容が変わってる。どうなっているのだろう。……何だか不気味だな。

 彼女(第二王子の元婚約者)は、新たな婚約者と共に国内にいる。

 第一王子も そのままだ、出奔していない。


 なぜ? 冒険者にはならないの。


 そして、次々に主要女性キャラが婚約解消していく。

 もちろん彼も婚約解消された。

 慰撫フォローして好感度を一気に上げる。でも、彼の元婚約者も私の親友だ、それは変わらない。


 彼(宰相の息子)の紹介で、私の妹が第二王子の婚約者になる事になった。何の障害もなくスンナリと決まってしまった。

 あれ、変じゃない?

 理由はすぐに分かった。今回のルートでは、私の家格爵位は『伯爵令嬢』になっている。

 これも変わっていたのだ。さっき気が付いた事なんだけどね、男爵令嬢では揉めていたはずだもの。


 もしかしたら『宰相』を選んだ時点で変わって、いや設定されていたのかも知れない。王族と関わる場合とは、色々違うようだ。


 最近、彼が第二王子と一緒にいる事が多い。

 王子は近衛騎士団の訓練にも積極的に参加し始めた。彼はそれを、とても喜んでいるようだ。


 それにしても関わる頻度が多すぎるのではないかと思って それとなく尋ねたら、妹の事で打ち合わせをしているそうだ。


 そうよね、披露パーティとか 色々あるものね。

 それに、騎士団の訓練に参加する事は、王族に連なる者の勤め、その一環らしい。


 彼の元婚約者は、司法長官の息子と婚約して国内に留まった。

 他の主要女性キャラは、で冒険者になった。残ったのは書記長と司法長官の婚約者だけになった。


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