第10話1月31日/第二王子を何とかしよう・1


 でもね。

 第二王子の事が どうしても気掛かりなんだよね。


 彼を ちゃんとした王様に出来ないんだろうかってね、どうしても思ってしまうのよ。


 あー、もう、失敗しても元々だ! ゲームスタート。


 王妃教育修了までは 同じように進んだ。つもりだったのに何だか微妙に違う。何でだろう。

 彼との関わりを多目に持ったから、……かな。


 ヒロインは彼の婚約者とも親友だし、きっと面倒で複雑な関係になるのだろう、と思っていたのだけれど、ならなかった。


 彼女、第二王子が嫌いだったのよね。まあ、あの性格ではね、好かれる方が難しいけどさ……。で、私に積極的に押し付けようとして来るのよ。

 ちょっと待ってよ。


 あちゃー、彼女、婚約解消しちゃったよ。


 ここで、慰撫フォローして……。って、何か嫌だなぁ。

 あっ。ち、ちょっと背中を押してるのは誰?


 あらら、彼女は さっさと別の公爵子息と婚約しちゃったよ。

 え、あれ? 何で第一王子とじゃないの。


 何か変な事になってる。

 以前やったのと かなり変わっている。何で?


 私は ある貴族の養女になって、名目上は『伯爵令嬢』だ。そのまま第二王子と婚約しちゃいました。

 ……候爵令嬢じゃないんだ。何だか可怪おかしい。


 この件、またたく間に進んじゃったのは、絶対、彼女のせいに違いない。腹黒元婚約者め。とか言いながら、今でも親友なんだけどね。


 あ、第一王子が出奔した。「冒険者になる」という書き置きを残して。


 こら、逃げるな! この国を滅ぼすつもりか。


 さて、問題があります。王太子になりながらも、あのバカ王子、家庭教師から逃げ回っているらしい。あー、情けないなぁ。

 執事長が泣き付いて来たのよね。何で私に? 私って、ただの婚約者なんだけど。


 あー。もう仕方ないなぁ。

 バカ王子の首根っこを押さえて家庭教師のところへ連行した。逃げないように見張っていてほしいって? まあ、仕方ないか。


 えっと、そんな事が何度も、何度も、何度も、何度も続きましたのよ。

 私は 聞くともなしに、彼が受けている帝王学の講義を学んでしまった、ようです。


 だって、バカ王子のスキル状況は『帝王学・未修了』なのに、私のは『帝王学・修了』になっちゃったのよ。

 どういう事よ、これって変でしょう。


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