第6話1月14日/こんなの 乙女ゲームじゃない!
結局、全員婚約解消してしまったよ。
良いのかな? この話、おかしくない?
うるさいなあ、このバカ(第二王子)。お花畑も いい加減にしてよね! 全く話が噛み合わない。何なのこれ。
ダメだよ、婚約はしないよ。キミの元婚約者は、私の友達なんだからね。
ステータスの値を見ると、何か大切な事を忘れているような気がする。何だったかな、これ。
ライバルキャラ全員が飛び級で卒業してしまう。
私もバカ王子を
いや、冗談じゃなく本気で。何だか この王子、目付きが怪しいし、雰囲気が暗い。纏う空気や気配も嫌な感じ。
これは……かなりヤバいな。
私も含めて、メインの女性キャラ全員が飛び級で卒業する事になったよ。
アハハ……。
明日が卒業式。今晩は全員が集まってパジャマパーティ、お茶会です。
うーん、美人に囲まれて癒されるなあ。
みんな冒険者になるらしい。予想はしてたけどね。
その夜、王宮で大事件が発生した。
第一王子暗殺未遂事件だ。
第二王子が睡眠中の第一王子を襲った。ナイフで刺そうとしたらしい。
危機一髪、なんて事はなく、あっさり捕縛されたらしい。動機は王位継承権を奪うため。いわゆる お家騒動。
本当のバカじゃん。ちゃんとした計画も立てておらず、衝動的な行動だった、らしい。そんなモノが成功する事など あり得ないよ。
だけど、私は あのイベントの、本当の理由を知っている。
いや、分かってしまった。
1つは 私が第二王子に好かれてしまったこと。何というか これは仕方がない。
そして2つ目は、この スキルの中に埋もれるように隠れている『王妃教育・未修了』。これが最大のミスだ。
これが原因、元凶なんだろうと思う。他の理由は考えられないもの。
彼が狂ったのは、このスキルが中途半端に存在していたからに違いない。
無ければ、あんな事件は起こらなかった。
ちゃんと修了していれば、多分 暗殺ではなく別の方法で王位継承権を入手していたのではないだろうか。
いや、そう思いたい。いくらドロドロの お家騒動でも、暗殺はダメでしょう。
コホン。では、後日談を。
第二王子は秘密裏に処分されたそうで、詳細については私には知らされてない、って事になっている。
ライバルキャラ達は、計画通り全員が冒険者になった。時々楽しそうな手紙が届くので間違いないだろう。
羨ましいかって、そりゃあ……まあ、ね。
私は学校卒業後、お父様が決めた方と婚約。その後、
これをスルー・エンドというのだろうか。って、何か変じゃない。このゲーム。
ねえ、これで良いの? 何か変でしょう!
こんなの、乙女ゲームじゃないじゃない。
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