第8話1月23日/正解はどこだ・2


 どうやらサポートキャラを使うのは問題がありそうだ。少し置いておこう。


 メインキャラ、だが王族関係はやめよう。


 このゲームではチームを作るのが必要不可欠なのだと思う。友人を作れるキャラだと、誰が良いかな。騎士(の子息)でも、してみようか。


 騎士の中から、王都騎士か近衛騎士を選択……か。

 友人を作るなら王都だな、王族関係では友人は作り難い、それに あの第二王子に近づき過ぎるのは、何だかヤバそうだ。


 さて、こいつにも婚約者がいる。ちゃんと付き合えば戦力になるはずだ。補助魔法系を覚えてもらえるかな、後衛を任せられると良いな。


 うーん、婚約の維持は思ったより厳しい。好感度維持も難しい。


 そう言えば 妹が言っていたな、『対話が大切』だ、と。

 婚約者と話し合ってみよう。


 彼女も冒険者を目指しているようだ。ステータスの好感度が一気に上がった (当然だが、完成版では これは表示されない)。

 役割分担を決めよう。彼女は攻撃系スキルが思ったより高い。前衛かな。

 うーん、やっぱり彼女も前衛が望みか。


 他の友人に後衛を任せなければならない。

 サポートキャラに中の、確か魔法使い(の弟子)だったか。こいつにも婚約者がいる。


 話しかけて友情値を上げよう。(妹よ! 感謝する)


 魔法使いも その婚約者も冒険者希望だった。

 後にRPGがあるのだから当然といえば、当然なのだけれど。


 どちらも魔法適性が高い。が、前衛か遊撃希望だった。任せても良さそうだ。これで4人、しかし後衛がいないのは まずいな。


 魔法使いの紹介で医師志望の生徒が仲間になった。彼こそ完全な後衛職だ。魔法も治癒・回復系に特化している。

 彼も、彼の婚約者も、当然だが冒険者志望だった。


 その医師志望キャラの婚約者は ちょっと変わった特技を持っていた。

 趣味が音楽。作詞・作曲はおろか、アレンジも出来るので 同じ楽曲でも風味を変えて歌い、演奏する。すばらしいスキルだ。そして、そのスキル値が高い。

 こういうのを なんと言ったっけ……、そう『吟遊詩人』だ。

 2人共、喜んでチームに入ってくれた。


 全員そろってチーム編成の打ち合わせを行った。

 喧々諤々、時には衝突、時には妥協、様々な内容を話し合い。皆が それぞれを理解し、自分の意見を調整していった。当然ながら好感度は どんどん上がっていく。

 良いチームが出来そうだ。

 このゲームは対話が重要なイベントになるようだ。


 これなら、きっとハッピー・エンドになるだろう。


 ■■■


 何だこれは。乙女ゲームとして完結してしまった。

 嘘だろ……。


 終了時の吹き出しには こう記されていた。

 「能力不足です。冒険者ギルドに登録するにはHP、MP及びスキル値が足りません。

 この場合は乙女ゲーム完了で終了となります。

 在学中において 各キャラクタの能力を向上させる必要がありました。次回ゲームでは ご注意ください」


 オレは 少しの間、頭を冷やす事にした。


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