第12話3月3日/家庭教師が本当の主人公?


 さて、サポートキャラなんだが。

 オレは 最初から、改めて じっくり観察し検討した。


 このゲーム、チュートリアルだと言う事で、やはり制限があるようだ。

 例えば、キャラ選択画面のところに『フリーキャラクタ』という項目がある、内容は皆目分からない。何でも完成版に装備予定らしく、このチュートリアルではアクティブになっていない。


 どんなキャラが入るのだろうか。少しばかり気にはなるが、まあ良しとした。

 スルーして次の段階へ進む。


 さて、本題だ。

 この前のゲームをしていて思った。チームのバランスが、悪いとまでは言い過ぎかも知れないが、キャラを成長させるのに失敗した。とても難しかった。

 何だかシックリ来ない感触。原因は分からないが。


 少し踏み込んで考えてみよう。

 例えば、あの魔法使い(の弟子)の婚約者は吟遊詩人だった。あれは標準ステータスによるものなんだろう。中々良いとは思うが、もう少し何とかなりそう、に見えた。

 いや、彼女だけではない。みんな そんな感じだった。


 ひょっとしたら、先の見込み通りサポートキャラが主人公、なのかも知れない。

 このゲームの正しいルート、とまでは言い過ぎか。どのルートも悪くはないのだから。

 だが、作者が望んでいたルートは、やっぱりこれじゃないだろうか。


 まずは、魔法使いを中心に、他のキャラとの共通点を探してみた。

 男女関係なく共通の何かがあるはずだ。性別を変えながら共通点を探した。


 やっぱりあった『家庭教師』、これだ。

 彼女を吟遊詩人にしたのは家庭教師に違いない。

 これは魔法使いだけじゃなかった。他のメインキャラ、王族を除く全員に家庭教師がいる。

 (王族にも家庭教師はいるが、サポートキャラになっていない)

 間違いない。このキャラが本当の主人公だったんだ。


 オレは、魔法使いのサポートキャラ『家庭教師』を選択した。

 ワクワクする。どう育てようか。


 吹き出しが出た。

 「このゲームにおけるメインキャラクタ付属の家庭教師は、最も完成された育成完了状態となっています。完成版では、このキャラクタも育成する必要がありますが、当ゲームはチュートリアルなので省略しています」


 嘘だろ。


 これの完成版って、本当にゲームとして成り立つのか?

 他人事ひとごとながら少しばかり心配になって来る。あまりにも自由度が高すぎないか?


 本当に、冗談じゃなくて。


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