概要
皇子アルヴィン、頭蓋骨を盗まれ【怪物】となりて。
国と国とを隔てる雲海を、飛鯨船(ひげいせん)が征するようになって幾星霜。
かつて、この世は一つきりで、神々の戦争で二十に切り分けられたというけれど、神様の名前なんて、魔法使い以外はもう誰も覚えていやしない。
そんな神秘の魔法使いの国だって、鎖国を解いてからは留学がトレンド。
アトラス神を先祖にいただく皇子アルヴィンもまた、異母兄姉にコンプレックスを持つ『特別になりたい少年』でしかなくって、けして『選ばれしもの』ではなかったのだ。
ーーーそう、その日までは。
多重海層世界。
世界を鳥瞰した学者たちは、列なる二十もの海と大地を、そう定義した。
魔女の予言が残った最下層、フェルヴィン皇国の末皇子アルヴィンは、優秀な異母兄姉の存在にコンプレックスを持つ14歳。
留学も失敗して鬱屈とした日々を送っ
かつて、この世は一つきりで、神々の戦争で二十に切り分けられたというけれど、神様の名前なんて、魔法使い以外はもう誰も覚えていやしない。
そんな神秘の魔法使いの国だって、鎖国を解いてからは留学がトレンド。
アトラス神を先祖にいただく皇子アルヴィンもまた、異母兄姉にコンプレックスを持つ『特別になりたい少年』でしかなくって、けして『選ばれしもの』ではなかったのだ。
ーーーそう、その日までは。
多重海層世界。
世界を鳥瞰した学者たちは、列なる二十もの海と大地を、そう定義した。
魔女の予言が残った最下層、フェルヴィン皇国の末皇子アルヴィンは、優秀な異母兄姉の存在にコンプレックスを持つ14歳。
留学も失敗して鬱屈とした日々を送っ
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!勇者のいないこの世界に、潜る
この作品には唯一無二の世界が在ります。
綿密な世界構築が成されている作品に出会うと、私の場合は小説を読むというよりは、その世界に深く潜っていくような感覚になります。
空気感や重力までも変わってしまったような、そんな奇跡のような体験。
この世界に潜ったときにまず感じたのは、壮大なスケール。
いわゆるどこにでもあるファンタジーや、そのコピペではない。完全なるオリジナルワールド。
そしてこの世界の中にも神話があり、我々が考える神々とはまた違ったものが存在するのです。人の成り立ちもまた同じ。
世界は丸くない。空の上にはまた海が広がる。それが何階層にも及ぶ、多重平面世界。
そしてストーリーが進めば進…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ハードカバーで読みたい、至高の本格ファンタジー
この壮大華麗な物語を、厚く硬く、吸い付くように指触りのいい紫紺の紙にざらりと星を散りばめて、職人の手で丁寧に上製本に誂えたものを、大事に大事に本棚に納めたい。
遥か昔、神々と交わされた契約と予言。
三千五百年の猶予が終わり、今宵『最後の審判』が始まる。
その運命に飲み込まれていく王家の末裔達と、彼らを愛する『語り部(意思ある魔法)』達の織り成すドラマチックな物語。
深く緻密に組み上げられた独自の世界観や設定が凄まじく素晴らしい本作品、もっと読まれて欲しい。もっと広まって欲しい。あなたとこの世界を共有したい!!
コミカライズしたらめちゃくちゃ売れそう。でもこれは是非とも文章で読んで欲しい…続きを読む