一条家の箱庭

一条家にて働く主人公白夜の体験記というのだろうか。
ケース１から３まであり精神疾患についての記述は作者の病気に対する理解が窺える。病気に関しては少々説明的になるのは否めないが患者が起こしてしまう事象と自己の望む看護師としての理想がぶつかる。その苦悩を描きながら一条家とのやりとりをしていくにつれ一つずつ気づいていく姿は読んでいて思うものがある。
もっとミステリーであってもよかったと思ったり作者らしさを出して欲しかったという点でVery Goodにしました。
これからの作品に期待していきたい。

書籍化期待しています!!!!

今後に期待！

中編連作。ミステリー分野ではあるが、謎解きにはそれほどページが割かれておらず、どちらかというと人間心理の底に下りていくことを重視している。

取り上げられるのは統合失調症に解離性同一性障害、それに複雑な人間関係の闇。同じ一族の話ではあるが、焦点の当たる人物や症状が異なるため、それぞれ違った味わいがある。個人的には、冒頭の統合失調のエピソードが好きかな。

　『夜勤』、『雨の庭』でＳＦやファンタジーの緻密な世界を描いてきた作者様の医療系ミステリー。1話拝読しただけで、統合失調症の知識が満載である。医療系ミステリー好きにはたまらない一作。ここでも、これまで作者様が描いてきた独特な世界観を生み出す手腕が光る。あまりに病気の詳細が描かれているため、作者様が医療従事者なのでは？　と勘繰ってしまいそうだ。
　小生も統合失調症の障害者であり、登場人物ととても似た経験がある。あまりに似すぎているため、読んでいて苦しくなるほどだ。それほどまでにこの作品はリアルが追及されている。
　今まで作者様ファンだった方も、医療系が好きな方も、両方満足すること間違いなしの作…続きを読む