概要
「我々のこの想いは罪なのか、コーランを読んで議論しよう」「はぁ!?」
男色が「ありふれた悪徳」であった16世紀オスマン帝国。
「ごく普通の放蕩」の中に生きる美貌の小姓が心惹かれた相手は、イスラーム法学者を目指す、生真面目な少年だった。
一応、他のオスマン帝国ものと同じ人物が出てきますので、人物紹介をつけておきます。
・イブラヒム:エリート官僚になるために徴用された奴隷(←結構高い地位)。17歳。イスタンブルではいろいろな男と浮名を流したが、地方に飛ばされてきて、カルチャーショックを受ける日々。
・スレイマン:イブラヒムの上官にあたる田舎の王族。16歳。後に立法者スレイマンと呼ばれる偉大な皇帝になるが、この時点では、理屈っぽく生真面目で時々天然な法学者見習い。イブラヒムへの好意を打ち明けたところ、いきなり押し倒されかけて、カルチャーショックを受ける。
「ごく普通の放蕩」の中に生きる美貌の小姓が心惹かれた相手は、イスラーム法学者を目指す、生真面目な少年だった。
一応、他のオスマン帝国ものと同じ人物が出てきますので、人物紹介をつけておきます。
・イブラヒム:エリート官僚になるために徴用された奴隷(←結構高い地位)。17歳。イスタンブルではいろいろな男と浮名を流したが、地方に飛ばされてきて、カルチャーショックを受ける日々。
・スレイマン:イブラヒムの上官にあたる田舎の王族。16歳。後に立法者スレイマンと呼ばれる偉大な皇帝になるが、この時点では、理屈っぽく生真面目で時々天然な法学者見習い。イブラヒムへの好意を打ち明けたところ、いきなり押し倒されかけて、カルチャーショックを受ける。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!猫=宇宙
後に「大帝」と呼ばれることになるスレイマンと、「大宰相」と呼ばれることになるイブラヒム。両名の想いは、向かい合っているには向かい合っている……のだが、まー、何と言うか。
なにせ猫である。液体である。掴めない。引っ掻かれる。でもすり寄ってくる。猫の小姓頭さん、困ってしまってにゃんにゃんにゃにゃーんである。ついでに猫パンチも食らう。
つまり信仰と戒律の話です。
ファトワーは下されるのです。
猫は宇宙。
にゃーん。
猫と人間の相違を通じ、「神」との向き合い方を追求するスレイマン。巻き込まれるイブラヒム。デタラメに深遠な話をしているのに、その深遠さが「我々が愛し合うとはいかなる事か?」の一点の…続きを読む - ★★★ Excellent!!!愛の問答か、問答への愛か。
プラトンの「饗宴」に、酒に酔ったアルキビヤデス(アルキビアデス)が、師ソクラテスを、異文化、そしてBLに慣れない者からすると引いてしまうような恨み言まじりで称賛する場面がある。それから約二千年の時間と信仰の違いがあっても、愛を語るのに熱心なのは世界共通か、それとも地中海沿岸の人々の気質だろうか。
もっとも、ソクラテスたちのギリシアとは違い、男色が一応は禁忌の時代だ。だから二人は、信仰と同性愛の間でどう折り合いをつけるかについて語り合う。その試みは成功した様子だが、しかし、著者の巧みな構成もあって、その結果(同禽)より、そこに至る過程そのものが目的に映る。時にははぐらかしたり、そして時には…続きを読む