第22話 青年が手をのばすのは前を見るため
白いカードを
「力を貸してくれ。カズヤ!」
左腕の
「アウト・オブ・オーダー」
胸のポケットから、銀色のメダルを取り出す青年。
チホに
「あのときのお礼。持っててくれたんだね」
嬉しそうな顔の女性に、青年も笑顔で返す。
「クリエイターのサポートがなくても、
思いを込めて、カズヤの力を使うケンジ。
左手で強く
「これは、
『ありえない! それは、
「何を言っているんだい。この世界のすべては、ただのデータだよ」
『そう。この世界は、
ムゲンの声を
『
ケンジが、青いメダルをトネヒサに
白く染まっていくアウト・オブ・オーダー。
トネヒサが、体の前でプログラムを組み上げた。すぐに完成したカードを入れ、
エンチャントで力が
「サポートは任せろ。思う
「そうですね。二人に任せます」
あたたかい言葉を受けた青年が、自分よりすこしだけ背の高い女性を見つめる。
力強さを
「
「うん」
満面の笑みで答える、チホ。セミロングの髪が
カード使用中で、エンチャントが使えない。二人は手を
『
「わたしは、自分で
微笑む女性に、左手をにぎる男性が
「
返事を待たずに、服を変化させるケンジ。赤いカーディガンを
「なんだか、
チホも続く。赤いカーディガン姿になって、赤いフードを
「私たちも、着替えましょうか」
「うるさいぞ。
二人は姿を変えない。
「ちょっと
ケンジが、チホの左手を引く。
『
レイトの体を
データの植物をデータの風で
「クリエイターの
「
ウタコは、
植物を
「
トネヒサとウタコはデータの
エミカは
モモエは、
男女二人が、少年の目の前に
「ハッキングに
「うん。チホ、頼む」
ケンジと手をつなぎ、力を
『バグは、お前たちのほうだ! デリートする!』
「始めるようだね。この私も、やることがあるんだ。君たち、頼んだよ」
プログラムの
しかし、
二人は周りを見ていない。ハッキングに
『書き換えの時間が、あると思っているのか』
「できる!」
プロテクトを破って、チホが叫んだ。
「戻ってこい。レイト!」
ケンジの左手が、少年の左腕をつかんだ。
プログラムの書き換えが始まる。
『まがい物の、世界、で……』
「ここは、
ムゲンの
現実で動くデータと、そのバックアップ。それぞれ、
ムゲンはデリートされた。
微笑むレイト。姿が人ではなく、データの
遅れて
足元に落ちる黒いメダル。悲しそうな表情のシオミが近づいて、
「ムゲンの
「おい。
「悪は
すこし震えたモモエの言葉に、チホが
「よくないよ。なんとかしないと」
「データはある。戻せるはずだ。
オレに
しかし、最後に手が加えられたのは、
白いカードの力を使う青年。
レイトのデータが
「
ウタコが
「その場合、巻き戻しが起こり、私たちが
普段より明るい表情のトネヒサ。グレーのスーツ姿。アマミズに、肩にのるよう命令する。白いリスのようなものが動いた。空中を跳ねるように歩く。エミカが、笑顔で手を振る。
赤いカーディガン姿の男性は、悩んでいる。
「誰か、カズヤを元に戻すのを手伝ってくれると、嬉しいんだけど」
「ちょっと、わたしには難しいかも」
赤いカーディガン姿。フードをかぶっていたチホも、服をもとに戻した。クリーム色のスーツになる。
まだ、服を戻していない少女。
白いシャツはフリル付き。
「データの
フリルをなびかせて、エミカが去る。
「お腹が空いたわ。さっさと帰りましょう」
「わたくしは、念のため、レイトを
眠る少年を
トネヒサが、青いメダルを
「私たちも、食事にしましょうか」
「え? お、おう」
ウタコと並んで、エレベーターに向かう。600メートルを約2分で下りるという
「そうでした。まずは、ギョウタさんに
「ムゲンの
立ち止まる
「まだ、次の
「すごい力だけど、
「人の命を
「うん。言うと思った。
「ただの人間でしかないから。あれ?
照れ笑いを浮かべたケンジに、チホが
「勉強させてもらうね」
やさしい風が二人を
「食事を
「人のこと、言えないでしょ?」
チホの言葉に笑いながら、左腕の
「
すぐに、新たなカードを
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