第21話 かれらは神を信じない
『
初めて強い感情を表した、ムゲン。灰色の空から、ゴロゴロと
「それは、ルートキットを
ルートキットとは、コンピュータシステムへのアクセスを
「つまり、ただの
ウタコが
「お前たちにクラッキングは
たくましい体つきの青年が
黒いシャツの少年が、ハッキングの
『そこの
「アマミズは、トネヒサへのリンクがない。
説明したのは、すこし
「こうなることを予想して、最初から、クリエイターに関する
「それで、ずっと役立たずだった。と」
『
「できないはず。いま
「クリエイターの世界にクラッキングを
二人の青年が、レイトを見る。にやりと笑った。
「本気でやりそうで、怖いわ」
ピンク色の服の女性が、おおげさに首を振った。
「いや、やるだろ」
「
『ワームごときが
少年の体で話すムゲン。一瞬でカードが完成。
「みんな!
チホが叫んだ。データの流れをしっかりと
「リスク
『エンチャント・3』
遠くで座るアマミズが
「
カズヤが、左腕の
モモエに力が共有され、二人は手を
地上から600メートルの高さ。
黒い
『
ムゲンの声のあとで、水が動き出した。それぞれ
「こんな、水一つで」
「動きを止められてしまいました。
かといって、何もせずにいても、水は
六人は、体の前に
「ダメ。
赤い色が現れた水は、元の
長身の男性が動く。
データの
「
残念そうな顔の男性。赤い水にハッキングを続ける。
『
「ハニーポット
『
「うるさいな、こいつ!」
ウタコとトネヒサ。モモエとカズヤ。チホとケンジ。三組が、お
「メダル三つ分はきついな。ちょっとお願い」
ケンジが目をつむった。
東に続く、データの
一瞬の黒が終わる。
色のある世界。
草原の真ん中に、
青い空。わずかに浮かぶ、白い雲。虫の姿は、黄色い花の上の白い
少女が振り返った。
「感心しないね。
「うん。そうだね。ごめん。
「そんなことを言うために、来たのかい?
男性が、優しい表情で
「クリエイターの
「この私が力を貸すと、本気で思っているのかい? いまも
きびしい言葉を
「
「言いたくないけど、もう、一人では、
エミカが右手をにぎる。普通に動いた。これは、夢だ。
ケンジは表情を変えない。
「思いがけない
手をのばせば届きそうな距離で話す二人。少女が口を開く。
「
「
「そのリンク
お
「
世界を覆う黒。
目を覚ました少女が、体を起こす。
「まだ答えを言っていないのに、せっかちだね」
右手を動かして、左手の
顔は
「データフロー。アウト・オブ・オーダー!」
左手で、緑のデータフローメダルを
現実へのハッキングにより、データの流れがはっきりと見える。
体の前で、エクセキューションカードを
左腕のアウト・オブ・オーダーに
「エクセキューション!」
ムサシノタワー
「メダル三つ分はきついな。ちょっとお願い」
ケンジが目をつむった。それを見て、
「
「
あどけない顔の女性は、首をかしげた。セミロングの髪が
データの
「ちょっと違った。でも、まあ、
六人それぞれを、データの水が
アウト・オブ・オーダーを左腕に
狙ってくる水を
建物の
腕を組んだエミカが、すべてを見下ろしている。
「
それは
フリル付きのシャツ。
音を鳴らす、緑を
「なるほど。これで
「
「
ウタコとトネヒサは、同じような表情をしていた。少女を見つめるケンジ。データの流れを
「そういうことか。データを
エミカは、
『リンク元を
少年が
「
「分かってしまえば
両腕を動かすエミカ。舌を出して、引っ込めた。
「ムゲン、てめえ。
水をハッキングするカズヤ。モモエが
「
言い終わらないうちに、プログラムを組んだエミカ。六匹のネコが
『
「
「メダルを与えて、自分が
少女の言葉を
スタイルのいい女性が、レイトのほうを向く。
「いい
「
チホの表情は
『そうだ。お前たちに、この体をデリートすることはできない』
シオミが目を覚ました。同じく目を開く、
少女は、
「レイトのゲノムデータを渡せば、この私が助けてやらなくもないよ」
決意を込めた眼差しの、ヘアバンドをつけた女性。青空のもと、ショートヘアを
「アマミズ。
『
空中の水を襲うネコ。ケンジたち六人は、ハッキングに集中する。どんどん色が変わっていく水。皮がめくれるように、次々と
『こちら
「断る」
少年の
『なぜだ。
黒いシャツにグレーのパンツ姿。レイトの体から響く、ムゲンの声。
こげ茶色の上着をなびかせ、ケンジが
「それは過去のデータだ」
『カズヤは、ケンジのデータのリンク元。バックアップだ。これから本当の人間にしてやる』
笑い出す青年。あまり体つきはよくない。
「カズヤは、すでに
『
「それも、過去のデータだな」
体つきのいい青年が、はき
『
「そういうことか」
笑いだすカズヤ。少年は、さげすむような顔になる。
『生かしてやった
「そんなものはない。お前が全ての
「ケンジが乗ってた
「あの
「私は、特に運がいいわけではなかった、ということですね」
シオミとエミカが近付いてくる。笑顔で迎えたモモエが、振り向く。金属製のタワー上部を背にする少年を
「ツクモの
「待っていてください。レイト」
「怖いね。こっそり
少年の前に
ハッカーとクラッカーが
トネヒサとウタコは、データの
青年は、
「ケンジ。オレをカード化しろ」
「そんなこと、できるわけないだろ」
「もう十分、人間として生きた。
カズヤは、
モモエの前で立ち止まる青年。
力強く、赤いメダルを差し出す。
受け取った女性は、悲しそうな表情を
アウト・オブ・オーダーが左腕に
データの流れが
目に
「分かった。カード化する。でも、あとで元に戻す」
「バックアップを作って、リンクして。二人分は大変そうだな」
「オレが手伝えば、
カズヤが右手を差し出す。
ケンジも右手を出して、
長身の男性が叫ぶ。
「いまこそ、バージョン1・5の
『
エミカの足元で、白いリスのようなものが
離れた場所で
まばゆい光が青年を包む。もう一人の青年により、データとして
ケンジの胸の前で、再び一つになる。
カズヤが、白いエクセキューションカードへと姿を変えた。
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