第15話 のこされた時間と彼らは向き合う
ギョウタの家に入り、
だ
サユリに手を振る。手を振り返された。ルミコも軽く手を振る。ギョウタを先頭に、
「ここが、
「
「いや、元からだ」
返事を聞いて、トネヒサが
「
「ここが狙われて、家族が
ウタコに
中のデータを
「消えてる。クラッカーに関する
四人が、ディスプレイを
「ネットワークから
「いや。これはネットに
チホの
ケンジがディスプレイを
「逆に、何か増えているものは?」
「ウィルスか? いや、チェックは
のぞき込む四人。
『
書かれていることを読み上げた、アマミズ。
「ついに、大々的に何かを
「もし、今日中に、ここの
長身の男性と
「
「うん。早めに何かが起こるかもしれないから、
あまりまとまっていない髪の男性と、きれいにまとまった髪の女性が
「たいして役に立てないが、
「任せろ。ギョウタ」
「もうすこし、場所と相手を選んだ
「お前は、ずーっと同じ
「
ウタコとトネヒサのやり取りに、周りの空気が和らいだ。
「
「そうだよ。家族の
振り返らずに部屋を出るケンジ。チホが追いかけていく。
「トネヒサでいいです。
「とねひささん、って言いにくいからな」
トネヒサとウタコも部屋を出ていった。
上着から、手書きのメモを取り出すギョウタ。クラッカーの
「またねー」
「いつでも、いらしてください」
「
三人に手を振って、四人が西からの光を浴びる。光のほうへ進んでいった。ときおり笑い声をあげながら。
大きな窓があるのは東。まだ、外は暗くない。
北の席で語る、めずらしく
「クラッキングに対して、ハッキングで
『クラッキングで、
南西の机のうえに
五つの席に着く、四人。と、白いリスのようなもの。
「クラッカーだって人間だから、
「いや。
北東の女性の言葉は、向かいの
「クラッキングは
男性は
となりのケンジから
「アマミズの
グレーのスーツ姿の男性は、驚いたような表情を見せた。それを見逃さない、
「メダルと同じような、すごい力、あるんじゃないのか?」
「
「アマミズの
ケンジの言葉で、全員の
『アマミズは、アマミズだよ』
「これではなく、別の場所で、です。おそらく、ほかのメダルを持っている誰か」
「
アマミズを
「クラッキング同士がぶつかれば、クリエイターに
「
「そのとおりです。バグ
「強い相手で
ケンジが立ち上がり、トネヒサの席へと近づいてく。チホのうしろを通り過ぎた。
「わたし、先に帰ります」
立ち上がり、お
クリーム色のスーツが遠ざかるのを
シイナギ
呼吸の音すら聞こえなかった四階に、
「お
チホの笑顔はぎこちない。部屋は、やわらかな色の
閉められる
「一人なんて。別の用事がある、と言っているようなものじゃないか」
やれやれ、といったポーズを取る、ベッドの上にいる少女。
「クラッキングを教えてください」
「どういう返事をするか、分かっていない、とは言わせないよ」
頭を下げるチホに、エミカは冷たい
ベッドの横に立つ女性は、ひるまない。
「
「予告か。まさかとは思うけど、信じてないよね?」
「はい。だから、すぐに来ました」
部屋は静かさに包まれた。女性が口を開く。
「このままだと、足手まといになっちゃう」
「ずいぶんと、
「お願いします。エミカさん」
チホが再び頭を下げた。目を細めた少女が、表情を
「普段どおり話すなら、考えなくもないよ」
「うん。ありがとう。エミカ。ほかには何をすればいい?」
明るい声を出した女性に対し、答えない少女。左腕を持ち上げた。右腕を動かして、
「メダルを
「うん」
優しい顔で、左手に緑のメダルを
「アウト・オブ・オーダー」
少女が
右手を
歩道を歩く、女性と男性。
右からの夕日に照らされ、
「わざわざ、
「
たくましい
しなやかな体つきのモモエ。豊かな胸を隠すキャミソールドレスの上に、シースルーの上着をまとっている。
「こっちはこっちで、準備しましょうよ」
「オレは、もう準備できてるぜ。リーダーたちは、どうかな?」
レンガの
西をむき、門の前で立ち止まる。
横幅が広い、洋風二階建て。壁は、黒に近い色のレンガ。
木のドアが開く。
「すこし遅れていますよ」
姿を現すまえに、冷たい事実が述べられた。家から出たスーツの女性は、ヘアバンドをしていて、ショートヘア。
「そんな言いかたしないでよ。シオミさん。お
つづいて現れた少年が、やさしく微笑んだ。左腕を
レイトに向かって、モモエが手を振った。すぐに笑顔が返される。
「ありがとう。おねえさん」
建物内は、
広い部屋に着いた。カズヤとモモエが、
壁のスイッチを押したレイトにより、
シオミが、レイトの左腕から
「動かさないと、
『
少年のような声が言った。
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