概要
黄昏に揺れる灯篭の明かりが、その屋敷への道標
棕櫚は作る。蒸気機関の機械を。
灯篭は導く。求める者を屋敷へと。
屋敷は佇む。海底都市を見下ろすように。
ここは黄昏灯篭の屋敷。
あなたが求めるのは、富か技術か、それとも。
灯篭は導く。求める者を屋敷へと。
屋敷は佇む。海底都市を見下ろすように。
ここは黄昏灯篭の屋敷。
あなたが求めるのは、富か技術か、それとも。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!咲き誇る花たちへ
科学によって崩壊した世界。
海底都市へと夢を見、移住した富裕層。
捨てられた地上世界にて佇むは、歯車回る美しき灯篭屋敷。
中に住まうは、高い技術力を有するという謎多き男と、白い羽を持つ神秘的な『天使』と『マリーちゃん』と呼ばれる者達。
―――と、SFとファンタジーと和風のおいしいとこをぎゅっと凝縮して、香辛料で纏めたような世界観。それが見事に調和して一つの作品という料理(しかも美味)になっているのが素晴らしい。
世界観の匂いに釣られて蓋を開ければ、主人公である棕櫚はどこか皮肉で厭世的でありながらも、白米を愛し、天使である蛍火を大切に思うという非常に可愛らしい人物だし、それ以上に愛らしいの…続きを読む - ★★★ Excellent!!!丁寧に生み出されていく彼の世界
科学技術の発展により栄え、そして汚染されてしまった世界。
海底に作られた都市に逃げ込めたのは、極一部の人々だけ。
主人公の棕櫚は地上で蒸気機関の機械を作り、それを人に売って生活をしている。
何処か諦観したような雰囲気を持っているが、読み進めるとすぐにそれが誤りであることに気付く。
彼のこだわりや信条が手に取るようにわかるのは、その所作が非常に丁寧に描かれているからだろう。
読みながらその所作を頭の中で追っていくと、汚染された世界で彼が作り続ける空間が目に浮かぶ。
棕櫚と一緒に住んでいる蛍火という少女。彼女も謎に満ちた存在であるが、それ以上に非常に可愛らしい。思わず何度か読み返しては、彼女…続きを読む