第14話『カード合成 - シンセサイズ』
「うん、わかった。たぶん出来るはずだ!」
と、言いながら、鉄の剣のカードを右手に、炎のカードを左手に持った。その二枚のカードを一回、アスカに見せて、また戻して、両方のカードを見ながら集中する。
「え?何をするつもりなの??」
と、アスカが僕に聞いた。
「こうするんだ!」
と僕は、持っているはずの新たなスキルを発動させた。
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『カード合成 - シンセサイズ』
キイィィィンと、両手に持っていたカード、『鉄の剣』と『火』が光りだした。
「やっぱり出来るんだ!!!」
と僕は言うと、その2つのカードは重なりあって、一つのカードに合体した。
「え?なに?なに?何がおこったの?」
と、アルテミスタ国の姫、アスカが僕に聞く。
そう、彼女からは良くわからない。
けど、こちらから見れば確実にわかる。2つのカードが一つのカードになったのだ。
「こうなったんだ!」
と、2つのカードが一つになったカードを、クルッと指先で、回して中の絵が見えるように、アスカに見えるようにした。
「え?なにそれ?炎の剣??」
と、アスカが聞く。
そう、カードには、炎に包まれた剣が描かれていた。
「そう、そのとおり!出してみよう!」
と言って、僕はカードを右手にもったまま、スキルを発動させた。
『現実化 - リアライズ』
キィィィィイン
とカードが光だす。
そして、そこには、炎に包まれた剣『ファイヤーソード』が現れた!
「おおお!すごい!」
と、僕は言いながら、誰もいないところで確かめるようにその剣を振った。
ブオンと炎にまとわれた、剣筋が現れる。
「すごーい!」
とアスカが驚いている。
「そんな武器みた事ないわ!ケンゴはほんとに凄いのね!」
と彼女は喜んでいる。
「これが僕の3つめのスキル『カード合成 - シンセサイズ』みたいだ!」
と僕は微笑みながら言った。
1つめは『カード化 - カードライズ』
2つめは『現実化 - リアライズ』
3つめは『カード合成 - シンセサイズ』
なのだった。
「ただ、僕は戦士としては大したことないから、これは、だれか使いこなせる人に渡したいね」
と僕が言う。
「なるほど、それなら、それならユリカがいいわね!彼女はかなりの剣の使い手よ!私より強いわ!」
とアスカが言う。
その発言には自分もそこそこ強いし、自分より強い人がいることが若干悔しい、という意味が込められているように感じた。。
「え?姫なのにアスカ戦うの?」
とぼくはアスカに聞いた。
そんな姫がいるのか・・・。
確かに、王子は結構剣の訓練を受けているイメージはあるけど。
「当たり前じゃない!」
とニッコリわらってアスカは言った。
当たり前だったのか・・・。
「あ、そんな話をしてたら、ちょうどユリカが来たわよ!」
とアスカは笑っていった。
「姫様!また勝手に抜けだして!!」
と姫の護衛のリリィとユリカが走って僕らの元にやってきた。
そう、姫アスカの脱走がみつかったのだった。
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