第28話『高級回復薬』

「まさかその2つを・・・?」

とリリィが聞く。


そう、この国ではまだ、ジェルをどう使うか分からずに余らせているという話を聞いていた。

そして、僕は多分これが正解だろうな・・・というところに当たりがついていた。


「そう!この2つを合成させるんだ!」

と僕は、回復薬とジェルのカードを持ってスキルを発動させた。


-


『カード合成 - シンセサイズ』


キイィィィィン

と両手に持ったカード『回復薬』と『ジェル』のカードが光り出し、一つのカードに変化した。


綺麗な水と薬草を合成して出来た『回復薬』とスライムを倒して手に入れた『ジェル』のカードを合成して一つのカードになった。


『高級回復薬』になったのだ。


「できた・・・」

僕は呟いた。そう、出来るんじゃないのかと思っていたけど、やっぱり出来ると嬉しい。


「何が出来たの!?」

と、アスカが僕の後ろに回り込んできて、カードを覗いた。

もう僕の説明を待っていられないという様子だった。

そして、僕は彼女にカードを渡す。


「高級回復薬だよ!回復薬がジェルによって、より塗りやすく、浸透しやすくなったんだ」

と僕がアスカに言う。


「すごーい!」

と言いながら、アスカがカードを掲げて見ている。


「これもユリカに使ってもらおう!」

と、僕が言うとアスカがさっとカードを僕に渡してくれた。


『現実化 - リアライズ』


と、カードを現実化させるスキルを発動させた。


キィィィンとカードが光り出し、高級回復薬が現れた。

そしてそれを僕はユリカに渡す。


「え?いいのか?使って?」

とユリカが僕に聞く。


「もちろん!」

と僕は微笑みながら言った。


「わかった。ありがとう」

と言いながらユリカは高級回復薬を普段の戦闘で疲れているところに塗った。


「こ!これはすごい!!傷が治るというよりも、前よりも体が軽くなったぐらいだ」

と彼女は目を輝かせて言う。

そして、さっきよりもブンブンと腕を振っている。

その動きも早くなったようにすら見える!


「すごい効き目のようだね!」

と僕は笑った。

傷が回復すると、前回よりも強くなって回復するという、人間の仕組み、超回復の効果も出ているのだろう。


「これは、うちの薬剤師達では作れないものだ・・・こんなすごいものがあるなんて・・・」

と、ユリカが驚く。

そう、このスキルによって短期間で回復薬を作れるだけではなく、それより機能が上の高級回復薬を僕は作ったのだった。


「ジェルの事をみんなに教えたら、作れるようになるかもしれないね!」

と僕が言う。


そう、こうやって、どんどん確かめていけば僕の合成のスキルを使わなくてもこの国の人達でも作れるようになるはずだ、そうやってどんどん進化させていけば、この国はより良くなるはずだ。


「よし、ジャンジャン、回復薬作って、帰りにスライムに出会ったら、ジェルを手に入れて、高級回復薬も作ろう!」

と僕は言った。

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異世界に転生したら、触ったものをカードにできる能力を持ってたので無双する! なかの @nakano

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