第27話『ジェル』
『現実化 - リアライズ』
キィィィィンとカードが光り出し現実化していく。
ポンッとそれは現れた。
薬草と綺麗な水を合成してできたものが!
そして、彼女にそれを渡した。
「これは・・・」
と受け取ったユリカが驚いている。
「回復薬ね!」
「回復薬だ!」
とアルテミスタ王国第一王女のアスカと僕がそういった。
-
「ほんとだ・・・」
と護衛で剣士のにユリカが、早速その回復薬を自分に塗っている。
普段から戦闘や訓練で、傷が多いであろうユリカが自分に塗って確かめている。ググッと腫れが引いている用に見えた。この世界の回復薬は元いた世界の傷薬より効きが良いのだろう。
「これは確かに・・・回復薬・・・!」
と、ユリカが言った。
その塗って回復した腕をぶんぶんと振っている。
痛みなどもひいているのだろう。
「うん、回復薬だ!」
とユリカがその性能確認して微笑んだ。
「すごいわね・・・」
と、アスカが驚いている。
「こんな短時間で作れるなんて、すごいわ!いつもは何時間もかけて、作っているから、いつも回復薬が足りないというのが実情よね!」
と、アルテミスタ王国の第一王女の姫が言う。
ただのおてんば娘ではなく、そういう事情もしっかりと認識しているのが、彼女の凄いところだ。
現場の事情と、国の事情両方をしっかり把握しているのだ、そのおてんば力によってアスカは。
「そして、もう一個試したい事があるんだ」
と、僕が言う。
そう、ここで終わりじゃない。
僕にはもう一つアイデアがあった。
「回復薬いいかい?」
と僕は、ユリカが確かめてくれた回復薬を一旦返してもらって、スキルを使ってカードに戻した。
「ずっとこれが気になってたんだ・・・」
と僕は、別のカードを一つ取り出してくるりと回転させて皆に見せた。
「それは、スライムを倒した時の・・・」
と小柄な護衛のリリィが言う。
そう、彼女がスライムを倒してくれたのだ。
「そう、これはスライムのジェル」
と僕は言う。
「これをどう使うのか、考えていたんだ。食べるとか・・・塗るとか・・・」
と僕は言う。
「塗る・・・?もしかして・・・?」
とアルテミスタ王国の第一王女アスカが気がつく。
「さすが!アスカは分かったか!」
と僕が言う。
「塗る・・・?」
とリリィは、二人は何を言っているのだろう?
という顔をして、僕らに聞き返した。
「そう、塗るんだ!」
と言いながら僕は2つのカードを皆に見せた。
「ええっ!」
とリリィが驚いている。
「まさかその2つを・・・?」
とリリィが聞く。
そう、この国ではまだ、ジェルをどう使うか分からずに余らせているという話を聞いていた。
そして、僕は多分これが正解だろうな・・・というところに当たりがついていた。
「そう!この2つを合成させるんだ!」
と僕は、回復薬とジェルのカードを持ってスキルを発動させた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます